【勝手に検証】長岡は日本一のえだまめ王国なのか

2016/8/18

初夏から10月までビールのお供やおやつとして活躍する「えだまめ」。新潟県は作付面積全国1位にも関わらず、出荷量は全国7位。たくさん作っているのに県外には出さずに、新潟っ子が食べているという、超枝豆好きの県民性。その中でも、長岡はザルいっぱいに盛って食べるのが定番スタイル。えだまめのPRキャラクターがいたり、早食い選手権なるイベントがあったりと、えだまめへの熱量がハンパない!

長岡は「えだまめ王国」といえるのか、勝手に検証しました。

 

◆検証1
えだまめの生産量や
出荷量は全国に比べ多いのか

農林水産省の統計によると、新潟県はえだまめの作付面積は1,580ヘクタール(東京ドーム320個分)で日本一! ただ出荷量は、作付面積2位の山形よりずっと少ない、3,410トン。つまり、たくさん作って自分たちでたくさん食べているのです。

都道府県別枝豆生産量・出荷量 農林水産省調べ(平成24年)
  作付面積
  出荷量
 1位
 新潟県
 1,580㌶
 千葉県
 6,590㌧
 2位
 山形県
 1,480㌶
 山形県
 4,880㌧
 3位
 群馬県
 1,160㌶
 北海道
 4,660㌧
     (中略)
 7位
 埼玉県
 685㌶
 新潟県
 3,410㌧

 

初夏から10月まで居酒屋さんに行けば、お通しにえだまめ。塩気を利かせてぷりっと膨らんだまめのコリコリした食感は、ほおばる手が止まらなくなります。

この時期、多くの家庭の食卓にザルいっぱいのえだまめが平然と並び、長岡っ子は「とりあえずえだまめ」が口グセに。これは市民性といっても過言ではありません。

 

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結果:日本で一番作っていて、地元の消費量がハンパない!

 

◆検証2
生産者のこだわりは?
味も他県に自慢できるのか

JA越後ながおか 枝豆生産部会 部会長の中村文和さんによると
「米作りも盛んな長岡は、えだまめ栽培にも適した気候です。また、えだまめはまだ豆粒が小ぶりな時に香りと味が最も強くなり、その後は低下してきます。長岡のえだまめは実の大きさよりも味にこだわり、最もおいしい時期に収穫する若もぎしています。地元消費量が高いので、必然的に鮮度のいいえだまめを味わっていただいています」

香り高く、食感もいい若もぎのえだまめを、長岡では鮮度のいいうちに存分に味わえる環境があります。なんとも贅沢!

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結果:鮮度が命! 生産地が近く、若もぎのえだまめが食べられる

 

◆検証3
えだまめにも種類がある?
採れ立てを食べられる時期は?

えだまめは種皮やサヤのうぶ毛の色の違いから大きく分けて3種類。「茶豆」「青豆(白毛豆)」「黒豆」があります。香りや粒の大きさ、皮の固さや出荷区時期の違いで品種は400以上ともいわれています。

長岡野菜に認定されている「肴豆」「一寸法師」をはじめ、長岡の生産者はさまざまな品種を栽培しています。品種ごとに微妙に変わる味わいを楽しむのも通っぽい!

えだまめは6月下旬から10月上旬までの長い期間、切れ目なくいろいろな品種が登場します。これは全国の生産地をみてもかなり長いそう。

長岡で採れるえだまめの種類(一部)
6月
 6月末~7月上旬
 月夜音
 枝豆の季節を告げる極早生品種甘みが強め
7月
 7月上旬~7月10日
 味風香
 大さやで実入り良好。濃厚な旨味とコクが特徴
 7月10日~20日
 おつな姫
 茶豆風味の芳香と甘みを兼ね備えた品種
 7月20日~31日
 湯あがり娘
 ゆであがったさや色が鮮やかな緑で、食感が抜群
 7月30日~8月4日
 新小平方茶豆
 長岡祭りの時期に出回る大さやで風味に優れる茶豆
8月
 8月5日~16日
 新潟茶豆
 香りと旨みのバランスに秀でた人気の高い品種
 8月15日~31日
 晩酌5号
 山形県の「だだちゃ豆」の系統をひく茶豆
9月
10月
 9月1日~10日
 雪音
 さやつきが良くボリュームがある。茶豆風味で甘みがある
 9月18日~25日
 一寸法師
 長岡野菜のひとつでさやが小ぶりな品種。さやの長さがちょうど一寸ぐらい。優れた食味で人気
 9月25日~10月5日
 肴豆
 長岡野菜のひとつ。三日月のように反ったさやで、強い香りが特徴。酒の肴にピッタリ

 

ちなみに、9月中旬から採れる「一寸法師」は、新潟の野菜では初めて、イオンの「フードアルチザン(食の匠)」に選定されるなど、長岡の枝豆のなかでも特に注目を集める品種。JA越後ながおかが「越後ながおか一寸法師えだまめ協議会」を設立し、ブランド化を目指しているそう。

結果:個性豊かな品目。採れ立てを味わえる期間も全国屈指。

検証3-えだまめザル

 

◆検証4
盛りの良さは!?
長岡の盛りと東京の盛りを比較

ここまで初夏から秋までえだまめがたくさん採れて、しかも品種も多く、市内でたくさん流通していることを検証しました。この時期は、長岡市内の居酒屋さんでの「お通しがえだまめ」率が異常に高くなり、えだまめを注文するとざるいっぱいのえだまめが運ばれてくるので、よく県外から来た人が「こんなに!?」と驚きの声を上げています。

検証2-東京のえだまめ

居酒屋で「えだまめ!」注文したとき、一般的なえだまめの量はこのくらいでしょうか。

長岡ではざる盛りで提供する飲み屋さんがとても多い。ビールが進みます。

長岡ではざる盛りで提供する飲み屋さんがとても多い。ビールが進みます。(一例です)

 

結果:首都・東京より、あきらかに長岡の方が盛りがいい!

 

◆検証5
PRキャラクター「マメリン」の
インパクトも全国屈指!?

検索ワード「えだまめ PR キャラクター」で調べてみると、帯広市の「まめサラくん」、岐阜市の「まめたん」、東京都狛江市の「えだまめ王子」、そして長岡市のPRキャラクター「マメリン」がヒット。

なかでも、美脚を網タイツで包み、くびれが美しいグラマーなボディが印象的な「マメリン」が独特の存在感を放っています。

花火大会やアオーレ長岡でのイベント、幼稚園への訪問を行い、長岡のえだまめシーンを率先して盛り上げています。

検証5-まめりん-長岡大花火大会にて

長岡まつり大花火大会に現れたまめりん。

検証5-まめりん全景

【プロフィール】
本  名 : マメリン
誕生日 : 10月13日
豆年齢 : 23歳(収穫後2時間30分)
出身地 : 長岡市の肥沃な大地
出  生 : 枝豆の突然変異で生まれた
学  歴 : 長岡野菜大学
特  技 :枝豆をゆでること
趣  味 : お風呂に入ること
好きな本 : ジャックと豆の木
好きな有名人 : マリリン・モンロー、ミスタービーン
特  徴 : そばによると茹でた枝豆の甘いかおりがする
アオーレのイベントに参加

餅つきもできるまめりん。写真は、アオーレ長岡で行われた「フェニックスまつ2014」。

幼稚園や保育園の園児と一緒にえだまめの収穫も行った。

幼稚園や保育園の園児と一緒にえだまめの収穫も行った。

ちなみに、マメリンの生みの親である、一般社団法人 長岡青年会議所では、長岡出身のシンガーソングデュオ「ひなた」とともに「SOYがぁ~て枝豆」のテーマソングも作っています。

結果:マメリンのインパクトは、全国のえだまめキャラの中ではダントツ

 

◆検証6
今年初開催の
「世界えだまめ早食い選手権」とは

長岡の若手農家さん達が「日本一長期間えだまめを食べ続けるまち長岡」を目指して、今年初めて「世界えだまめ早食い選手権2016」が開催されます。「ザルに大盛り提供スタイル」を基本理念に掲げ、どれだけ美しく、はやく食べられるかを競うもの。

検証6-世界えだまめ早食い選手権※先方支給-5

個人戦は2分間食べ続け、殻の重量で勝敗を決める。団体戦は1kg食べきった早さで勝敗を決定。

検証6-世界えだまめ早食い選手権※先方支給-6

個人40名、団体16名、88名が競技に参加する。公式アトラクション(体験)もある。

普通に「えだまめ選手権」ならともかく、「世界」と付けちゃうのはアリなのか?

大会の実行委員長・丸山豊さんいわく「えだまめの早食い競争は行っている地域が全国に何カ所かありますが、農家が仕掛けて行うというのはおそらく世界初だと思います。“国際”や“全国”、“日本”など付けるかどうかずいぶん協議したのですが、市民のみなさんに長岡のえだまめを誇りに思ってほしい、という気持ちから“世界”を付けさせていただきました。早食いというと少し食べ物を粗末にしているイメージを持つ方がいらっしゃるかもしれませんが、食べ物に敬意を表してゴングとともに“いただきます”でスタート、大会で出る殻などは肥料会社にて堆肥化・土つくりに活用していただきます」

 

プロモーションムービーも作成。PVの完成度は強いこだわりの証

 

6月から挑戦者のエントリーをスタート。88名を募集したところ、個人戦は144名、団体戦は197チーム、延べ735名からエントリーがあったそう!

1割は県外から、外国の方からのエントリーも。

 

結果:農家さん発は世界初!? 反響がすごくて主催者もびっくりの早食い選手権

 

◆検証7
アオーレ長岡で開催する
えだまめフェスは全国に誇れるのか

「世界えだまめ早食い選手権」当日、会場となる「アオーレ長岡」では、みんなでえだまめを一番楽しむ日と題し「EDAMAME FESTA」が行われます。

市役所で行うことや、「世界えだまめ早食い選手権」の実施、えだまめをメインとした祭りというのは珍しいのですが、それ以外にわざわざ足を運ぶコンテンツはあるのかと思ってチラシを見てみると「えだまめストラックアウト」や「えだまめ収穫作業体験」なるアトラクションが! そのほか「えだまめ品種紹介」、産直マルシェやグルメの屋台も出店。もちろんビールの販売もあるそう。

「世界えだまめ早食い選手権」だけではなく、出場しない一般市民も、えだまめグルメやゲームで巻き込むとは……、とても楽しそうです。

当日は日本で一番、えだまめを食す場となり、長岡のえだまめ熱を存分に感じられるはずです。

検証7-フェスタ表

結果:えだまめを狙う、刈る、食す。個性的なアトラクションは(たぶん)全国唯一

 

長岡の未来を明るくする
えだまめ

おいしい枝豆を作ることはもちろん、キャラクターやテーマソング、イベントをとおして、「えだまめを長岡の誇りに」「もっとえだまめの知名度をあげたい」と多くの市民団体が、さまざまな角度からえだまめをPRしています。
えだまめを味わって、キャラクターをいじって、イベントに参加して、みんなが楽しくえだまめの価値を見直すことで、他県や世界に自慢できる地元野菜になるはず。

10月初旬まで長岡のえだまめはおいしい!
みんなでザルいっぱいに盛って味わえば、確実に日本で、いや世界で一番のえだまめ王国になる。

 

EDAMAME FESTA
開催日時:8月21日(日)10時~18時
会場:アオーレ長岡
※世界えだまめ早食い選手権/市民交流ホールA(13時より開会式)

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