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【殿町スナック探訪】Vol.1 パブ ザンパーノ

パブ ザンパーノ-外観
スナック探訪遊ぶ長岡食べる
スナック探訪遊ぶ長岡食べる
2016年 9月 28日 | な!ナガオカ スタッフ

長岡随一の繁華街、殿町。戦後まもなく市役所庁舎を竣工、昭和22年には銀行、百貨店、厚生会館、アーケードや地下道もできて、街はぐっと利用しやすくなった。時同じくして、坂之上町に闇市(現・五・十市)が復活。仕事帰りに一杯ひっかけたい気持ちを満たすように、周辺にスタンドバーができて、その賑わいが集積して歓楽街へ姿を変えた。

殿町のキャバレー全盛期は、当時全国に店舗を拡大していた「キャバレーハワイ」が神田町にも店を構えた昭和50年だろうか。その頃、洋酒バー組合は380店を越え、「殿町の人口より、店の数が多い」といわれたほどの賑わいを見せていた。

1-k150725長岡の夜の風景3-m

長岡殿町夜の風景

数が多いから選択肢も広がって個性も豊か。

スナックやパブと聞くと、女性は少し入りづらい印象……、でもなんだか面白そう! ママやマスターが演出する大人の空間へ、妙齢女子が普通に飲みに行く連載(?)企画。

第一回目は、老舗「パブ ザンパーノ」から。

2-ザンパーノ-外観

今日のメンバーは、22歳のピチピチ女子と三十路を過ぎた女が2人。

――19時30

長崎ちゃんぽんが評判の「長崎亭」の斜め向かいの雑居ビル2階。階段を上がり、重厚感のある扉の前に立ち、やや緊張して扉を開けると、はじめに目に入ってくるのはガラスケースに入った陶芸の数々。手前には10人ほど座れそうな長いカウンター、奥にはカラオケのミニステージとテーブル席がいくつか並んでいる。

「奥の方のカウンターにどうぞ」とマスターの小林守男さん。

ゆったりとした深めのイスに座ると、厚手のおしぼりが1人に対して二つ出てきた。
すぐ手を拭く用とあとで気がついたら使う用なんだそう。気が利くなぁ。

「若い女性だけで来るなんて、珍しいね」と笑うマスターと「若い」といわれて若干の後ろめたさを感じる三十路の私。

とりあえず生ビールで乾杯!

3-ザンパーノ-セット

思いのほかお通しが充実! この日は、長岡産を使ったふかしなす、下仁田こんにゃくのふきみそ、春菊のごま和え。

お通しのふかしなすは味が染みていて、辛しをちょこんと付けて食べるとさらに美味。家庭の味わいで、気持ちが和む。

カウンターの奥に備えつけられたガラスケースには、たくさんの陶器のカップ。上には、賞状がたくさん飾ってある。

「陶芸が趣味なんですか?」と聞くと、「妻がね。お客さんにファンがたくさんいて、要望があればボトルキープのボトルや酒器を作っているんだよ」と答えてくれた。

市展や県展で数々受賞。アオーレ長岡で作陶展を行うなど、とても有名な作家さんなんだと常連さんが教えてくれた。

5-ザンパーノ-そうせんぼり

空焼きしてから表面を削って作る「小林聰千」のそうせん彫り。ディテールが味わい深い。一番左は店名入り。

 

――19時45

マスターが少し手を空けて、お店を始めた頃の話をしてくれた。

4-ザンパーノ-小林さん

小林守男さん(65歳)は栃尾の生まれ。都会に憧れて関東の方に出るが、昭和50年、22歳の時に長岡へ帰ってきた。

地元出身の田中角栄が「日本列島改造論」(昭和47年)を発表。日本は高度成長期にあって、昭和50年代は新長岡駅や大手大橋(開通は昭和60年)の建設で、各地からやってきた建設業者で殿町はごった返した。

そして殿町はキャバレー全盛期を迎える。

当時、全国にチェーン展開し飛ぶ鳥落とす勢いだった大衆キャバレー「ハワイ」が、長岡1号店を神田にオープン。

長岡へ帰ってきたばかりの小林青年は、「店長が着る青いスーツがかっこよかった」という理由で「キャバレーハワイ」のボーイとなり、入店たった8カ月で店長に就任。六日町や小千谷の姉妹店へも行き、「辞令は10枚以上もらったよ」。

そこで接客や街のイロハを学び、平成元年に独立して開いたのが、この「パブ ザンパーノ」だ。

「落ち着いて飲めるシックな店にしたいと思っていて、そのニーズがマッチしたのかお医者さんや議員さん、界隈の社長がよく来てくれたよ」

――20

「よっ!」と言いながら、やはりダンディなおじさまが二人入ってきて、殿町全盛期の話は一旦終了。

例のボトルキープの陶器ボトルが用意されて、飲み始めたおじさまたちに「今日はどうして来たの?」と話しかけられた。やはり若者世代の女性3人組は珍しいらしい。

少しやりとりをしていると、「ここの名物、おごってやるから食べていけ」と粋なお言葉!

出てきたのは、手作り焼売と油淋鶏だ。

6-シュウマイ

名物の手作り焼売1,080円。一つ一つが大きくて、皮からはみ出るほど肉がタップリ詰まっている。

7-油淋鶏

甘辛いタレを絡めた油淋鶏1,296円。大ぶりの鶏肉を口に入れると、肉汁がふわっと広がる。熱いのでやけどに注意だ。

このほかにも料理のメニューは豊富で自家製ネギチャーシューやホルモン炒めなどの一品ものから、ラーメンやカレーライス、チャーハンなどごはんものまで用意している。

料理の味も評判で、よそで飲んだ後に代行待ちでラーメンをすすって帰る常連さんも多いそう。

――20時30

ダンディなおじさまたちが私たちへのおつまみを注文し、料理が出てくる前に帰るという神対応を見せた後、男性2名、50代とおぼしきカップルが続けてやってきた。

私たちは3杯目の焼酎水割りに突入し、お腹も満たされてご機嫌モードで、カラオケを開始。マスターも「どんどん歌っていいよ」と優しい。

8-カラオケ

松任谷由実の「真夏の夜の夢」を熱唱する、ぴちぴちの20代。空気の読める選曲に脱帽。

 

9-カラオケモザイク2

それをみたカップルの女性が一緒に歌おうと誘ってくれたので、井上陽水の「リバーサイドホテル」をデュエット。

 

――20時45

カラオケも歌い、酔いも回ってきた。

「そろそろお会計しますか」と3人合意して、恐る恐るお会計をお願いする。内心、すごく高かったらどうしよう、とドキドキが募る瞬間。

10-お会計

3人で10,476円!! 思わず「安っ」と声が出る。しかも伝票も見せてくれて明瞭会計がうれしい。

お通しと1杯セットでセットは一人2,700円、チューハイは1杯432円、カラオケは1曲216円となんだかとっても良心的な価格だ。

こんなに飲んで騒いで、いろんなお客さんを巻き込んだのに、なんだかすみません。

「こっちも楽しかったよ。また来てね」と最後まで物腰柔らかいマスターの笑顔をあとに店を後にした。

店を出て、ほっとしたのか「なんかお腹すいたね、もう一杯飲もう」ということになり、近くの「大吉へ。つけ麺とギョーザ、ビール2本で〆たのだった。

「パブ ザンパーノ」、いいお店だったなぁ。

 

パブ ザンパーノ
[住所]長岡市殿町3-3-13 西沢ビル2階
[電話]0258-35-4499
[営業時間] 18時~深夜1時

 

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