チャンスは年2回の激安シュークリーム!長岡の秋冬の風物詩「サンキューまつり」

2016.11.16

長岡駅すぐの場所にあるMIMATSU CAFE。1959年に洋菓子店「美松」として創業して以来、市民にはおなじみの店です。 実は、1年に2回、2月と11月にだけ、とあるイベントを開きます。

それが美松の 「サンキューまつり」。今年も「秋のサンキューまつり」がすでに始まっています。名前の由来は、このイベントで販売されるのが、1個39円(税込42円) の米粉シュークリームであることから。このシュークリームがまた美味しい!ということで、「サンキューまつり」はすっかり長岡の秋〜冬の風物詩になっているんです。

ここでは、現在行われている「秋のサンキューまつり」を徹底解説! ねらい目の購入時間帯や、米粉シュークリームのおいしさの秘密、セールに込められた想いなどをご紹介します。

 

平均30分の行列覚悟!

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オレンジ色のおしゃれな看板が目印。

長岡駅から徒歩6分、大手通を歩いていくと現れるのが「MIMATSU CAFE 大手店」。長年「美松」の名前で親しまれていたお店ですが、2016年5月にリニューアルし、現在の店名になりました。喫茶も併設した造りになっています。

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2015年開催の「サンキューまつり」の様子。行列が絶えない人気ぶり!

「サンキューまつり」におなじみの光景……それは、この大行列! お店は10時オープンですが、早い方だと9時前には並んでいるそう。開店時に並んでいる人数はなんと50人以上で、みなさん平均30分間は順番待ちするそうです。最も混む時間帯は10~12時とのこと。シュークリームの消費期限が当日なので、早い時間に買っておうちで楽しんだり、ご近所に配ったりする方が多いようです。

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1箱10個入り(税込420円)。2~3箱買って行く方が多いようですが、1個のバラ売りもOK。これまでには200箱買ったという強者もいたそう。

 

米粉100%から生まれるモチモチ新食感

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こちらが、無事にゲットした39円シュークリーム。「並んで買うほどおいしいの……?」ここまで読んできた皆さんは、そんな疑問をお持ちかもしれません。

ここは、実際に食べてみましょう。

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まずはシュー皮。こちらは新潟産「こしいぶき」の米粉100%で作られています。米特有の香りは主張しすぎず、モチモチした食感が楽しめます。

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カスタードクリームは、創業当時から50年以上変わらないという、懐かしい美味しさ。とろりとした優しい甘みが、シュー皮とマッチします。原材料となる牛乳と卵は新潟県産にこだわり、低価格でも「安心安全」を実現しているとのこと。

これだけ細部にこだわり抜いた商品が39円とはにわかに信じがたいですが、この「サンキューまつり」が始まったのは、なんと50年以上前、さらにシュークリームの価格は当時と同じままと聞いてさらにびっくり。物価だけでも当時と今とでは大違いですし、この価格を保つのは並大抵の努力ではなかったでしょう。これも企業努力の賜物ともいえるのではないでしょうか……。こうなると、がぜんこのイベントの成り立ちが気になってきました。

 

感謝の気持ちを伝えたい。その表れが「サンキューまつり」

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創業当時の「美松」。

みまつ創業者

洋菓子を楽しむ文化を長岡に根づかせた創業者・松井茂氏。

創業昭和34年の美松は、戦後焼け野原となった長岡にて、創業者である松井茂氏の「家族で楽しめる場所を作りたい」という想いから始まりました。市民と共に時代を歩み、洋菓子文化を定着させ、「ガトウ専科」というブランドも立ち上げて、今では長岡にとどまらず県内に13店舗をもつまでに成長を遂げています。

「サンキューまつり」が毎年2月に開催されるようになったのは、創業の翌年から。さらに6年前からは11月にも開催されるようになり、年2回の恒例行事となりつつあります。

「米粉シュークリームはとびきり美味しいのに、こんなに安くて大丈夫なんですか?」美松の長岡エリアマネージャー・遠藤駿さんに、いささかお節介な質問をぶつけてみました。

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長岡エリアマネージャー遠藤駿さん。お客さんへの気遣いが隅々まで行き渡っています。

「いや、本当にギリギリの値段設定なんですよ。ですが、これはあくまで“サンキュー”の意味を込めた特別なセール。美松のお菓子を愛してくださるお客さまにはもちろん、原材料となる米粉や卵などを作ってくださる生産者のみなさま、卸業者のみなさま、わたくし共を支えてくださる全てのみなさまへのお礼の気持ちなんです」

謙虚に、しかし迷いなく、言葉に想いを込める遠藤さん。そのまじめな姿勢には、美松が長い間市民に愛されてきた理由がにじみ出ているような気がしました。

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箱には「届けたりない ありがとうをこめて」というメッセージが。お客さんへの愛情がひしひしと感じられます。

「お客さまからは『美松のシュークリームを食べなきゃ、秋の終わりを感じられない!』とありがたいお言葉をいただいています」。遠藤さんは、感謝の気持ちが届いている喜びをかみしめるように語ります。「サンキューまつり」をきっかけに店の新たなファンになる人も増えているそうです。

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新潟米シュー。週替わりのフィリングは全52種類。あんみつ、トマト、焦がしかりんとうといった変わり種もあり。

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「長岡の大花火」の正三尺玉をかたどった長岡花火パイ108円。新発売のホワイトチョコ長岡花火パイ151円。お土産にもぴったりのお菓子が豊富なのも魅力的。

創業者のスピリットを受け継ぎ、いまも「サンキュー祭り」は長岡の人々とともに時代を歩んでいます。「お客様のために」という愛情は、しっかりと市民の心に届いているよう。美味しいシュークリームを求めて途切れることのない行列が、それを物語っています。

 

ねらい目の時間は15時以降

「長時間の行列に並ばず、ゲットしたい!」と考えている方には、15時以降がオススメ。天候が悪い日もねらい目ですよ。また、見附工房で作られるシュークリームの最終仕入れは16時30分のため、売切れ次第で販売終了。18~19時には売り切れてしまうことが多いようです。一日で販売するのは3万箱(30万個)ですが、完売しない日はないというから驚き。まさに争奪戦です。

もちろん、日によって状況は変わるのでご注意を。行列が短ければ購入のチャンスですよ!

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「MIMATSU CAFE 大手店」にはゆったりできるカフェスペースを併設。菓子店なのに夏季限定の「レーメン」が大人気なのは周知の通り。テレビ番組「秘密のケンミンショー」でも紹介されました。

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美松の系列店である「ガトウ専科見附今町店」(見附市新幸町7-7)。こちらでも毎日限定200箱の米粉シュークリームを販売しています。

 

MIMATSU CAFE 大手店
[住所] 長岡市大手通1-4-12 都屋ビル1階
[電話] 0258-36-0852
[営業時間] ショップ10:00~19:00、カフェ10:00~20:00 (L.O19:00)
[定休日] なし
「秋のサンキューまつり」11月1日(火)~30日(水)
毎日30,000箱販売。なくなり次第販売終了。

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