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泥の海をかき分け、レッツ宝探し!ブランド野菜「大口れんこん」堀りを体験してみた

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中之島体験する食べる
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2016年 12月 1日 | な!ナガオカ スタッフ

レンコンはたくさん穴が空いた姿から「先(将来)の見通しがいい」と言われ、正月や慶事に欠かせない古くから食べられてきた縁起物の食材です。

日本でのレンコン生産量がダントツで1位なのは茨城県。そのシェアは50%とも言われています。しかし、そんなレンコン業界でじわじわと評判を集める新潟県長岡市のレンコンブランドがあります。その名も「大口れんこん」。長岡の地で生まれ、育てられたブランドレンコンのお話を大口地区の生産農家・鈴木肇さんにお聞きし、実際にレンコン掘りを体験してきました!

 

隠れたブランド・「大口れんこん」の誕生

「大口れんこん」が作られる長岡市中之島地域は、新潟県内でも一番の作付面積を誇るレンコンの産地です。地元の人たちが「はすたんぼ」と呼ぶレンコン畑が広がり、時期になると大きな緑の葉や、可憐なハスの花を見ることができます。

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レンコン掘りを体験したい!という取材班のお願いを快諾してくださった鈴木肇さん(39歳)。レンコンのブランド名にもなっている「大口地区」で、お父様のレンコン畑を手伝うようになって5年目という若手農業家です。現在、花嫁大募集中だそう。

この地域でレンコンの栽培が始まったのは、大正12年のこと。中之島地域の大口地区は、かつては沼地で、石油や天然ガスが採掘されていたと言います。ガスや石油が混じる土壌は、稲作には向いていないものだったのです。一方で、ガス田開発の副産物として、地下水の水温が高く、窒素分が多く含まれた粘土質の土壌は、レンコン栽培には最適な環境でした。

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レンコン栽培に適した長岡市中之島地域で作られる大口れんこんは、肉厚で、シャキシャキした歯ざわりが最大の特長。また、皮をむくと真っ白な身が印象的です。通常のレンコンは火を通して料理するとシブのせいで黒く変色するのですが、大口れんこんは、その肉厚さゆえにあまり変色しないのが特徴です。

前々からこの土地が育んだ名産品ではありますが、ブランドとして知られるようになったのはここ十年ほどのこと。大口れんこん生産組合の地道なPRが実を結んできたと言います。今では年間収穫量が1,000トンを超える全国有数の産地となり、「作った分はどんどん売れ、足りないくらいです。市場や農協からはもっと作ってくれと言われています」と鈴木さん。

こんなに美味しいレンコン。だったらもっと作れば良いのでは?と素人は思ってしまうのですが、レンコン作りはそんな甘いものではないんです!

 

とにかく重労働!レンコン収穫を体験

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11月の「はすたんぼ」は、蓮の地上部は枯れている。

レンコンは漢字で「蓮根」と書くものの、食べているのは根ではなく、じゃがいもなどと同じく「地下茎」という茎がふくらんだもの。それらの野菜と大きく違うのは、レンコンは水をたっぷりと張った泥の中で育つことです。なので、水を張った田んぼの泥の中で育ちます。

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「長岡野菜大好き!」な女性と、「趣味は畑」のライターがレンコン掘りにチャレンジ!

「はすたんぼ」は深さ20cmほどの水が張ってあり、レンコンはその下にあるこれまだ2、30cmほどの泥の層の中で育っています。それを掘り起こすのは大変な作業!もちろん普通の服装ではできません。そのため、レンコン掘りは「胴付長靴」という胸まである長靴と、肩まである大型のゴム手袋をつけて行います。

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変身完了!

この完全装備で「はすたんぼ」へと挑みます。

鈴木さんの誘導のもと、恐る恐る田んぼへドボン!普通の田んぼと比べても泥の層が厚い印象で、足がズッポリと泥にハマり。み、身動きができない……。

「田んぼの中で転んでしまうと、胴付長靴に水が入るので、本当に立てなくなりますよ」と鈴木さん。冬場に作業をするレンコン収穫では特に注意が必要です。

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最近のレンコン掘りは機械を使い、水圧で泥の層を飛ばしなから掘りとります。かなりの水圧で泥層を吹き飛ばすため、沈んでいたレンコンや茎がたくさん浮かび上がってきます。

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まずは機械の水圧で一気に泥の層を飛ばします。

その後、底まで手を入れてレンコンを探します。

その後、底まで手を入れてレンコンを探します。

機械で泥をかき分けた後に、田んぼの底まで手を入れてレンコンを探します。この際に、手は垂直に差し入れないと手袋に水が入ってしまいます! 上の写真は手を前に差し出しすぎ。危うく浸水するところでした。

濁ってまったく見通しのきかない泥水の中を手探りで進んでいくと、レンコンらしき感触が!

レンコンを見つけたら「引っこ抜く!!」のはNG。レンコンは折れやすく、途中で折れてしまうと穴に泥が入ってしまうので出荷できなくなってしまうんです。長いレンコンの先端を探しながら、丁寧に周りの泥を落とし、「抱きかかえるように」してすくい上げます。

身動きしづらい泥の中、水に浸かりながら、中腰で作業をするのはかなりの重労働。

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泥を丁寧にかき分けて、折ることなく、レンコンをすくい上げました!

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ようやく水から引き上げたときは最高の気分!

今でこそ、水圧で掘れるレンコン掘り機がありますが、「一昔前は素手でやっていたと聞きました」と鈴木さん。この地域での一番の収穫シーズンは10月~1月。極寒の中、水につかりながら、人力で掘り返していたとなると本当に頭が下がります。

体験させてもらったのは11月上旬。まだ真冬とは言えない季節でも、水に浸かって作業を続けていると指先から体温が奪われていき、指先の感覚が鈍くなってきます。鈴木さんは「今は楽チンな時期。2月に体験してもらえれば本当の大変さがわかりますよ(笑)」とおっしゃっていました。

収穫したレンコンはソリに似た収穫用の舟に積んで運びます。

収穫したレンコンはソリに似た収穫用の舟に積んで運びます。

15分ほどの作業で、収穫用の舟一杯分のレンコンが採れました。これだけ掘るのに、機械の後をついて進んだのは5mくらいでは?と思うくらい。「レンコンは機械化が進んだ今でも、とても手間がかかるんです」と鈴木さん。簡単に生産量を増やせるものではないということがよくわかりました。

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「ぜひ2月にも体験に来てください」と鈴木さん。

 

季節によって2種類、ぜひ長岡で味わって!

「大口れんこん」というブランドには、8~10月ころまで収穫できる早生種の「エノモト」と、11~5月に出荷され、長岡野菜に指定されている晩生種の「だるまれんこん」の2品種があります。早生種の登場で冬以外にも楽しめるようになった大口れんこんですが、まだまだ県外ではあまり流通していません。鈴木さんによると「いろいろな野菜もそうですが、レンコンも鮮度が一番です。乾燥に弱い食材で、やっぱり田んぼから収穫したてが一番美味しい。ぜひ、長岡で味わって欲しい」とのこと。

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採りたてのレンコンを、ぜひ味わいに来てください!

 

取材協力/大口れんこん生産組合、JAにいがた南蒲
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