注文を受けてから塗る、できたてコッペパンを訪ねて「旭屋」へ

2016/8/11

JR宮内駅前の商店街に店を構える「パンと菓子 旭屋」の名物は、素朴なコッペパン。バタークリームやジャムなど、オーダーに応じて目の前でサンドするスタイルを守り続けている。スーパーやコンビニなどの出現でこうした「街のパン屋さん」には厳しい時代だが、この店には県外からもお客さんがやってくる。その人気の秘密を探ってみた。

1コッペパン包装

 

懐かしコッペパン
ラインナップは10種類以上

自家製バタークリームに、イチゴやブルーベリーのジャム、ピーナッツクリーム……。店のコッペパンコーナーには10数種類のスプレッドが並ぶ。

「昔はどこのパン屋も、こういうのやってたけどね」

旭屋のご主人・高橋正文さんは三代目。先代の父が製パン業を始めた。お客のオーダーを聞いてから、好みのクリームなどをその場でコッペパンに塗る“ライブ”なスタイルは、当時からずっと変わらない。

旭屋の三代目、高橋正文さん(66歳)。パン職人の道を歩み40数年になる。

旭屋の三代目、高橋正文さん(66歳)。パン職人の道を歩み40数年になる。

平日の午後。話を聞いている間にも、コッペパン目当てのお客さんは次々とやって来る。みんな常連さんなのか、迷いなくお気に入りをオーダーしている様子。

「中学生の孫が大好きなの」と、何種類もまとめ買いしてゆく女性。

部活帰りっぽいジャージ姿の少年は、サンドイッチとコッペパンをチョイス。クリームたっぷりのコッペパンは、デザートの位置付けかな?

サンダル履きで来店のご近所らしきお父さんは、これからおやつか、明日の朝食用か。

カウンターの内側はこんな感じ。コッペパンに切り込みを入れ、注文のクリームを塗って、出来上がりまで、あっという間。

カウンターの内側はこんな感じ。コッペパンに切り込みを入れ、注文のクリームを塗って、出来上がりまで、あっという間。

4注文

ずらりと並ぶスプレッドに目移りしそう。バタークリームには「自家製」の文字が。

5ジャムマー

迷ったら、ミックスをどうぞ。写真はいちごジャムとマーガリンのミックス。どちらもたっぷりだ。

6ピーナッツ

ロングセラーの「デキシーピーナツ」には、もったりとして滑らかなピーナッツバターがたくさん入っており、口の中でクリームの味わいがふわりと広がる。

7スプレッド

数年前に登場した一番新しいフレーバー「フルーツバター」は、レーズンやリンゴなどのドライフルーツが入っていて、ラム酒の良い香りがする。

人気の傾向は長年あまり変わりないそうで、「デキシーピーナツ」「バタークリーム」は、昔から幅広い年代が支持。チョコ×バタークリームの「チョコっとバター」、バタークリームにラムレーズンを混ぜ込んだ「フルーツバター」も人気だ。2種類を合わせる「ミックス」なら、「あんバター」や「ジャムマーガリン」。いずれもパンの端っこまでたっぷり塗って1本130円~170円。何も塗らない“素”のコッペパンも1本90円で買える。多種類のスプレッドに目がいきがちだが、何より旭屋のコッペパンはパンそのものがおいしい。甘みがあってふんわり。食べ飽きしない素朴な食感をぜひ味わってみてほしい。

 

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