な!ナガオカ

コシヒカリと新之助、あなたの好みはどちらのお米?「長岡 新米&醤油ナイト」イベントレポート

つながる体験する長岡食べる
つながる体験する長岡食べる
2020年 2月 17日 | な!ナガオカ スタッフ

長岡市は、米どころ・新潟県の中でも有数のお米の産地。日本を代表するお米のコシヒカリは、実は長岡市で生まれた品種なんです。1944年、新潟県長岡市にあった新潟県農事試験場で誕生し、その後、福井県での育成を経て、1956年にコシヒカリとして品種登録されました。

長岡の水田は、信濃川が上流から運んできた肥沃な粘土質で、米づくりに必要な養分が豊富な土壌。さらに、春には雪解け水が川へと流れこみ、農業用水として活用されているという、まさに米づくりにぴったりな環境です。

そんな新潟を代表する穀倉地帯・長岡で採れたばかりの新米をいただくイベント「長岡 新米&醤油ナイト」が、2019年11月16日(土)に、東京・神保町にあるイベントスペース「LAB and Kitchen」で開催されました。

長岡のおいしいものを味わう「長岡ナイト」の第1回は、2019年8月に「枝豆」をテーマに開催。第2回となる今回の主役は「新米と醤油」です。

参加者は、首都圏在住の「長岡のおいしい新米を食べてみたい!」というメンバーたち、約40名。

会の進行と料理は、前回に引き続き、「ごはん同盟」のシライジュンイチとしらいのりこでお送りいたします。

 

しょっぱうまい長岡名物「しょうゆ赤飯」に驚きの声!

新米と醤油がテーマとなれば、長岡名物「しょうゆ赤飯」に触れないわけにはいきません。

赤飯といえば、お祝いごとに欠かせない、ささげや小豆で染めたピンク色のごはんですが、長岡の赤飯は、醤油で味付けされた茶色のもの。豆は大きな金時豆。長岡では、お祝いごとのほか、日常的に食べられている郷土の味です。

受付を済ませた参加者のみなさんには、しょうゆ赤飯のおむすびが配られました。はじめての方にとって、しょっぱうまい味わいは驚きのようでしたが、とても好評です。

イベントのために用意した新米は、長岡産の「コシヒカリ」と「新之助」。

コシヒカリは、毎年開催されている「長岡うまい米コンテスト」で上位20位に入賞した、長岡の米づくりの匠たちによる渾身の一作「金匠(きんしょう)」。新之助は、新潟県が開発した新品種で、大粒の美しい輝きとツヤ、豊かな甘味と食感が魅力です。この2種類のお米をガス釜で炊き上げます。

もうひとつの主役は、醤油。全国で2番目の日本酒蔵数を誇る長岡市は、日本酒はもちろん、古くから醤油や味噌づくりも盛んな発酵と醸造のまちなのです。

ご覧のとおり、今回のメニューは醤油づくし。長岡産の食材と醤油をふんだんに使った料理をご用意しました。

「豚の角煮」には、三崎屋醸造のこいくちしょうゆ「長寿」。「鮭の焼き漬け」には越のむらさきの「本醸造しょうゆ」。

「大口れんこんのきんぴら」には、新潟県醤油協業組合の「郷土の実り」。新潟の郷土料理「のっぺ」には、星野本店のうすくちしょうゆ「こはく」。長岡市の醤油蔵が造る醤油を料理にあわせて使い分けます。

いずれも醤油が味の決め手の、白いごはんが進む料理ばかりです。

かぐら南蛮味噌や筋子、漬物など、ごはんのおともも準備万端です。

料理がそろったところで、いよいよ乾杯。「日本酒で乾杯を推進する条例」がある長岡のイベントですから、乾杯酒はもちろん日本酒で!

日本酒ブースには、長岡に16ある酒蔵のなかから、6つの酒蔵(朝日酒造、吉乃川、お福酒造、栃倉酒造、柏露酒造、長谷川酒造)、計10銘柄の日本酒が並びます。

 

茶色の料理はごはんがすすむ!
醤油づくしの料理に舌鼓

歓談タイムがはじまり、参加者のみなさんは思い思いに楽しんでいる様子。どの料理からいただくか迷ってしまいますね。

コシヒカリと新之助、どちらもおいしいお米ですから、こちらでもひと悩み。

ごはんのお供もいろいろとありますから、悩みはつきません。

こうして長岡の食材をふんだんに使った新米&醤油プレートができあがりました。

ごはんに合うおかずは、実はお酒のアテにもぴったり。日本酒ブースも大賑わいです。

 

小麦を育てるところから始まった
新潟県産醤油プロジェクト

今回のゲストは、新潟県醤油協業組合の佐田さん(写真左)と渡辺さん。おふたりから醤油づくりのお話をうかがいます。

醤油の原材料は、大豆と小麦と塩。最初に蒸した大豆と炒った小麦を細かく砕き、それに麹菌をつけて繁殖させて「醤油麹」をつくります。最近では、醤油に米麹を混ぜて発酵させた調味料としての醤油麹が知られていますが、醤油づくりに使われる醤油麹とは別物なのですね。

醤油麹に塩水を混ぜたものが「もろみ」です。この中で目に見えない微生物たちの働きで醤油特有の旨味や香りがつくられます。そして、長期間熟成させたもろみを搾り、ようやく醤油ができあがります。

日本の代表的な発酵調味料の醤油ですが、実は流通しているほとんどの商品が、原材料を海外産に頼っているのだとか。そこで新潟県醤油協業組合では、新潟県産の原材料を使った醤油づくりプロジェクト「新潟県産醤油プロジェクト」を進めています。

「大豆や国産塩は手に入れることができたのですが、新潟県産の小麦探しに難航したんです」と話す佐田さん。

新潟県の小麦生産は外国産小麦の輸入や雪国での栽培の難しさなどの理由により徐々に減り続け、1998年にほぼゼロになったのだそうです。そのため醤油づくりのプロジェクトは、小麦探しから始めることになりました。

幸いにも新潟県小千谷市の農家さんが耐雪性の強い「ゆきちから」という小麦の試験栽培を始めたことを知り、年々生産量を増やして県内各地で栽培されるようになって醤油づくりのプロジェクトも実現に向かって進むことになります。

そうして完成したのが新潟県産醤油の「郷土の実り」です。原材料は大豆、小麦、食塩だけ。自然な四季の温度変化だけで1年間タンクで発酵・熟成させ、その後、成分調製や保存のためのアルコール添加はあえて行わずそのまんまボトリングした生(き)醤油です。

「天然醸造はその年の気温に影響されやすいため、驚くことに醤油の色や味わいが毎年変わるから面白いです」と話す佐田さん。昨年仕込んだもろみをイベント会場に持参し、その場で醤油を搾ってくれました。

ろ過や火入れをしていない搾りたての醤油は、加熱すると醤油の香りが一番感じられるのだとか。そこで搾りたての醤油を使ってチャーハンをつくりました。会場に漂う香ばしい醤油の香りが食欲をそそります。

 

炊き立てごはんはやっぱり別腹!
みんなで食べたごはんは、6升強

イベントも終盤に差し掛かり、ガス釜で炊いたごはんが少なくなってきたところに、羽釜で炊いたホカホカのごはんを追加投入。

みなさん、もうおなかいっぱいかと思いきや、炊きたてのごはんは、やっぱり別腹ですね。

なかには、ごはんのおともを全部のせたり、海苔を使っておむすびをつくる人も!

この日、用意したごはんは、しょうゆ赤飯で1.8升、コシヒカリで1.8升、新之助で1.8升。さらに羽釜で炊いたごはんが、コシヒカリ4合と新之助4合で、合計6升強! それでもごはん釜がすっかり空になりました。

こうして幕を閉じた「長岡 新米&醤油ナイト」。米どころ、そして発酵のまち・長岡ならではのお腹も心も満たされた夜でした。

 

Text: シライジュンイチ
Photos: 長尾明子

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
ページトップへ