フォークデュオ「ひなた」が長岡を熱くする!12月開催「音むすびフェス」への想い
タモリが太鼓判「東京に来いよ」
「ひなた」結成は1999年。長渕剛に憧れるたかのりさんが、とある友人とアコースティックギターを片手に路上ライブをしたことから始まった。デュオ名の由来は「ひなたぼっこが好き」ということから。
次第にファンを増やし、数カ月後には新潟市のライブハウスで披露するまでに。300人のお客さんで埋め尽くされたライブ会場に、足を運んだのが現メンバーぴろんさんだ。ひなたの圧倒的な迫力に感化され、すぐに当時流行の「ゆず」のスコアブックを購入し、ギター練習に励んだという。
転機は2003年の長岡活性化イベント。タモリさん、いっこく堂さん、清水ミチコさんなど、豪華な顔ぶれの出演者枠に、ひなたも加わったのだ。いつもどおり全力でライブを終えた二人。打ち上げの居酒屋でタモリさんが、たかのりさんを指差し、こう言った。「お前、オーラがある」。一方ぴろんさんを一瞥し「うーん……オーラは一人で十分かな」と。
それは大御所なりの冗談としても、太鼓判を押し「東京に来い」とエールを送ってくれたのだ。自信をもった二人は、事務所が定まらないまま上京。タモリさんのツテで住む場所を確保し、東京での音楽活動をスタートさせた。
東京での活動は順調だった。代々木公園で路上ライブを始めて、わずか3カ月でスカウトにより所属事務所が決定。ライブはもとより新しい挑戦も始まった。
「47都道府県を1日1県ペースで訪れて各地でライブをしたんだ。CDを売ったお金で旅をする『ひな旅』という無謀な企画……。ハードスケジュールなうえに車中泊! この企画、相方が勝手に決めちゃって、俺は付き合わされた(苦笑)」(ぴろんさん)
SNSがない当時、情報の拡散力が低い中、インターネットと口コミで毎日たくさんのお客さんが集まったという。
震災をきっかけに活動拠点を長岡へ
その後、渋谷公会堂でのワンマンライブ、全国10カ所ツアーなども成功させ、シングル、アルバムは、全タイトルがオリコンインディーズチャートで見事ランクイン。軌道にのる中、この頃、家庭をもちはじめた二人は「故郷」についてふと考えるようになった。
そのタイミングで起きたのが、2011年の東日本大震災。これをきっかけに「新潟から発信したい」という想いが強くなり、故郷である長岡へ戻ることとなった。
「長岡に戻ってきたら、思いがけない仕事が舞い込んでくるようになったんだよね」と
二人が話すとおり、ひなたの活動はかなり幅広い。まず、たかのりさんが初めて挑戦したのが俳優業。ご当地ヒーロードラマ『超耕21ガッター』の主人公を演じ、主題歌もひなたが担当した。
ぴろんさんはFMながおかの『ひなたのじょんのび喫茶』に特に思い入れが強いと話す。トークのテーマ決めから編集まで自分たちでこなし、スポンサー企業とのつながりも生まれた。そして、この縁がきっかけで社歌を作ることにも挑戦。これまでは自分たちの想いを伝えるための曲だったが、クライアントの魅力を伝える曲作りという新境地に挑み、現在までに16社の社歌を提供している。
ご縁をつくりつなげる、
音楽と食の一大フェス開催!
そんな彼らは、この冬、活動の集大成ともいえる音楽イベントを企画している。その名も『長岡音むすびフェス!!2016』、略して「音むす」。長岡の美味しいゴハンと、最高の音楽を楽しみながら、集まった人たちが一つになる。そんな「縁むすび」をコンセプトにした音楽フェスだ。入場無料のドネーション(寄付)制で、誰でも気軽に遊びに行ける。
会場は、JR長岡駅から徒歩3分の「アオーレ長岡」。アリーナとナカドマを使い、3ステージを設置。屋根付きなので天気の心配をせずに、ライブを楽しめる。
出演アーティストは、ひなたの二人と親交が深く、熱いハートを音楽に込める多彩な顔ぶれの18組。「音むすに出演するアーティストのほとんどが、県外から来てくれる。彼らの音楽は最高!みんなにもぜひ聴かせたい」と二人も絶賛。超耕21ガッターも応援に駆けつけてパフォーマンスを見せてくれる。
美味しいフードも充実!注目は、長岡市内飲食店4店がタッグを組んで開発した新作鍋「生姜風味の鴨つみれ汁」。500食限定で、なんと1杯200円。その他にも、ローストビーフ丼、そば、スイーツなど、選ぶ楽しみがいっぱい。
家族全員でフェスを楽しんでほしいと、小さな子どもが喜びそうなブースもあり。巨大迷路や電気自動車など、おもいっきり身体を使える遊びを用意している。
「長岡での音楽フェスは長年の夢だった。それが今、たくさんの人の支えがあるおかげで実現に向かっている。苦労は多いけど、ワクワクの方が勝っているね」(たかのりさん)
そう語る通り、音むすにはたくさんの人が関わっている。出演するアーティスト、フードを提供する飲食店、ポスター貼りボランティアの皆さん……。
当日は「悠久山栄養調理専門学校」「えぷろん」の学生たちが1000個の塩むすびを作り、「長岡子ども福祉カレッジ」の学生たちは保育ボランティアを担当。全員が「音むす成功」という一つの夢に向かうことで一体感が生まれ、つながりはより深いものとなってきた。
「実は、音むす企画発案は相方だったんだけど、なぜか俺が実行委員長になっちゃった。でも、そのおかげでたくさんのご縁があって、このまちがもっと好きになったんだ」(ぴろんさん)
「10年も20年も続くイベントにしたい。参加者同士でも、音楽を通じて仲良くなってほしいな。音むすをきっかけにカップルができたら、最高だよね!」(たかのりさん)
まずは今回がその第一歩。イベント成功に向けて全力を尽くしている。
ひなたの二人と、応援するたくさんの人たちの想いが詰まった「長岡音むすびフェス!!2016」の開催は12月4日(日)。寒い冬でも、音楽と食の力で最高に熱い一日になるはずだ。ぜひ会場に足を運んで、ライブならではの迫力を体感してみてはいかがだろうか?
長岡音むすびフェス!!2016
[開催日] 2016年12月4日(日)
[時間] 11:00~18:00
[場所] アオーレ長岡(アリーナ / ナカドマ) (新潟県長岡市大手通1-4-10)
[入場料]無料 ※ドネーション(寄付)制
[HP] http://otomusubi.com/