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長岡でカブトムシを採ろう!自然遊びのプロに学ぶ採集方法&おすすめスポット

体験する子育て遊ぶ長岡
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2017年 8月 8日 | な!ナガオカ スタッフ

夏の楽しみといえば、お祭り、花火、海水浴、キャンプ、そして男の子に人気の昆虫採集。木陰が涼しい森や山に出かけ、親子で虫採りを楽しんでいる家庭も多いのではないでしょうか。小学校の夏休みともなれば、かつて虫を追いかけまわった少年時代を思いだしたお父さんが、子ども以上に夢中になって虫採りをする光景も珍しくはありません。

昆虫の王様といえば、カブトムシ。体が大きくて力強く、立派な角をもちあわせ、男の子にとってはまるで永遠のヒーローのような憧れの存在といえます。しかし、ひと昔前に比べると、樹液の出る木が数多く伐採された影響で、全国的にカブトムシの数は減ってきているようです。

自然が豊かな新潟県長岡市、カブトムシ採集できるスポットはまだまだ残っています。とはいえやはり数は減っていて、かつてのように簡単にはゲットできないようです。そこで、今回は「野生のカブトムシに会いたい!」という想いを胸に、な!ナガオカスタッフが昆虫採集へ出かけてきました。カブトムシを採るポイントや、出現スポットなどもあわせてご紹介します。

 

舞台は、自然豊かな「赤城コマランド」

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赤城コマランドまでの道のりには、案内看板が設置されています。

訪れたのは、JR長岡駅から東へ5kmの場所に位置する「赤城コマランド」(→Map)。3万坪の広い敷地を有する里山には、ツリーハウス、トランポリン、ターザンロープなどが設置され、あたり一面は雑木林に包まれています。いつでも誰でも無料で遊べる「ロマンと冒険の森づくり」をテーマとした自然の遊び場です。

以前紹介した「森のようちえん ふたばっこ」があるのもこの敷地内。記事はこちらをご覧ください。
→雑木林が丸ごと幼稚園に!? 自然派ママ注目の「森のようちえん ふたばっこ」

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普段は会社員として働いている山川さん。地域の子どもたちにも親しまれています。

今回、案内してくれたのは、赤城コマランドを立ち上げた人物の一人、山川成雄さん。虫や植物の生態にも詳しい、自然遊びのプロフェッショナルです。

「カブトムシは簡単に見つかる昆虫じゃないですよ。毎日森に通って、昼間だけでなく夜や明け方にも探して、やっとの思いで捕まえることができるものです。だから、今日探してカブトムシを見つけられる確率は……1%くらいかな。まぁ、運が良ければね!」と山川さん。やはり簡単にゲットするのは難しい様子……。

夜行性のため、夜の方が比較的見つけやすいと言われているカブトムシですが、それでも出会えるかどうかは運次第。強者は完熟バナナをストッキングに入れたトラップを仕掛けたり、ライトに照らした白いシーツを設置したりと様々な工夫をしているそう。しかし、今回はあえて昼間の時間帯に仕掛けなしでカブトムシ探しに挑みます。

現在、時刻は午前10時。とにもかくにも探しに行ってみましょう。

 

これで完璧!虫採りの服装と持ち物

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完全装備!

虫採りに出かけるその前に、まずは服装をチェック!蚊に刺されないように、長袖長ズボンは必須。虫よけスプレーをしておけば、さらに安心です。足元は動きやすいスニーカーで。陽ざしから頭を守るために帽子もかぶります。藪をかき分けて進むのに便利な軍手、汗拭き用のタオルも用意しておくとなお良いでしょう。捕獲する道具として、虫取り網、虫カゴを用意。これで準備万端です。

 

カブトムシ探し、スタート!

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黄色い矢印が指しているのがコナラの木。

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コナラの樹皮は灰黒色で縦に裂け目があります。

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ナラの仲間の木の葉は細長くふちにギザギザがあります。

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秋のコナラ。ドングリの実をつけます。写真:photolibrary

 

「カブトムシが好むのは樹液が出る木。まずはその辺りを探しましょう」と山川さん。樹液が出る木といえばクヌギやコナラ。つまり、秋にどんぐりが生る木です。赤城コマランドにはコナラの木が多く自生し、樹液が噴き出ている木も見かけることができます。

山川さんのアドバイスをもとに、しばらく探していると……

「あれ?虫がいそうな匂いがするな。あーっ!いたいた!」

という興奮気味の声が。もしや、もう見つかった!?急いで声のもとに駆けつけてみると……

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「森のようちえん ふたばっこ」のだっこちゃん先生。

そこにいたのは、森のようちえんふたばっこ代表・「だっこちゃん先生」こと、古川貞子さん。カブトムシ採集取材を聞きつけ、虫採り初心者の「な!ナガオカ」スタッフのために協力してくれると言います。心強い助っ人です。

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ピカピカと黒く光るコクワガタ。

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この木の下には3匹のコクワガタが眠っていました。木の棒で探りましたが、逃げてしまいました……。

見つけたのは、小さなコクワガタ。夜行性のカブトムシやクワガタは、昼間は土の中で眠っていることが多いのだとか。日陰で樹液が出ている木の根元を探すのがポイントだそうです。虫採りに慣れてくると、どの辺りにいそうかは「甘酸っぱい匂い」で大体分かるといいます。

 

ついに発見!カブトムシ

さて、だっこちゃん先生も新たに仲間に加わり、カブトムシ探し再開です。

あれ、山川さん、いきなり木を勢いよく蹴りはじめました。いったいなぜ!?

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コナラの木を勢いよく蹴る山川さん。木から落ちた直後、死んだふりをする虫もいるそう。

「木を蹴るとその振動で、上にいる虫が落っこちてくることがあるんです。虫採り網で採れない位置に虫を発見したときにも有効ですよ」と山川さん。ただし、カブトムシやクワガタだけでなく、ケムシ、ゴキブリ、カナブンなど、想定外の虫まで降ってくることもあるのでご注意を。

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透き通るような羽が美しいヒグラシ。

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アブラゼミ(左下)とニイニイゼミ(右上)の抜けがら。

カブトムシ探索は難航しているものの、森ではたくさんの虫たちを見かけることができました。草原や土にはショウリョウバッタ、ハサミムシ、ゴミムシ、木にはカミキリムシやシャクトリムシ、空を見上げると大きなギンヤンマが気持ちよさそうに飛んでいます。辺りには「ミーンミンミン」「ジリジリジリ」というにぎやかなセミたちの鳴き声が……。

ハチやチョウが群がる木を発見!樹液は沢山出ていますが肝心のカブトムシは見かけません。

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樹液であふれる木を見て「虫たちにとって最高のレストランだねぇ」とだっこちゃん先生。

森の様々な木を見て歩きまわり、早1時間半。やはり、カブトムシを採るのは難しいのか……そう諦めかけていたとき、「カブトムシいたぞー!」という山川さんの力強い声が!

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懸命にコナラの樹液を吸っている雌カブトムシ。

ようやく見つけました!雌のカブトムシです。この木は樹液がたくさん出るらしく、アオカナブンも集まってきています。

交尾かと思いきや、単にクワガタが覆いかぶさっていただけでした。

交尾かと思いきや、単にクワガタが覆いかぶさっていただけでした。

木の背面にまわると、ミヤマクワガタとカブトムシも発見しました。このように、樹液のよく出る木を運よく発見できれば、カブトムシを大量ゲットできる可能性は大いにあるそうです。

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カブトムシを持つときは、小さい方のツノを軽く持ちます。

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この日ゲットしたのは、カブトムシ雄1匹、カブトムシ雌2匹、ミヤマクワガタ1匹、コクワガタ1匹。

結果、約2時間の昆虫採集で3匹のカブトムシ、2匹のクワガタムシを捕まえることができました。この日、カブトムシを発見できたのは山川さんとだっこちゃん先生のアドバイスがあったから、さらには運が良かったらに他なりません。

カブトムシを捕まえてみたい人に向けて、山川さんはこうアドバイスしてくれました。

「カブトムシ探しの基本は“何度も森に通うこと”です。チョウ、ハチ、カナブンが集まるような樹液がたくさん出ている木は、もちろんカブトムシも大好き。時間を変えて観察していれば、いつかは出会えるはず。昼間に採る場合は、薄曇りの日がおすすめです。強い光が当たらない木陰も、カブトムシが大好きな場所ですよ」

 

10年後、20年後。次世代の子供と
虫たちのための森づくり

現在、長岡には野生のカブトムシがいるスポットはありますが、木の伐採や自然環境破壊の影響で、カブトムシが以前より住みにくくなってきているのは間違いありません。そこで、山川さんはここ赤城コマランドで、「虫たちが住みやすい環境」を作ろうとチャレンジしています。

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「今年の夏、赤城コマランドの敷地内に200tのバークチップを敷き詰めました。このチップは、木を砕いたあと発酵させて栄養満点にした土のこと。カブトムシはもちろん、虫も植物もこの土が大好きなんですよ。来年までには、もっと広いエリアにチップを敷き詰めて、“虫が喜んで住む森”を作りたいんです」(山川さん)

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赤城コマランドから数百メートル離れた場所でバークチップを製造。毎年、山積みされたチップの下からたくさんのカブトムシの幼虫が見つかるそう。

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森のようちえん園舎のまわりは、すでにバークチップが敷き詰められています。フカフカの良い土です。

カブトムシの幼虫は土の中で大きくなるので、もちろん土の質は大切ですが、成虫になったときに必要なのは食べ物があること、つまり樹液が出る木がたくさんあることです。

「この辺一帯はクヌギの木が少ないから、せっかく成虫になっても食べ物を求めてどこかへ行ってしまうカブトムシは多いんです。そのためカブトムシが住みやすい環境を整えようと、木を植える活動もしています。すぐに成果は出ないかもしれませんが、10年後、20年後、つまりは自分の子どもや孫、ひ孫世代のためになるようにと考えています」(山川さん)

自然環境が壊され、虫たちが少なくなってきた今だからこそ、子どもたちのために「虫がいる森」を残したい。虫に触れるのを遠慮する世の中ではなく、かつて虫が身近な存在だったときのように、虫と積極的に触れ合うことで愛情をもってほしい。山川さんはそう願っています。

赤城コマランド
【住所】新潟県長岡市栖吉町字岩野(→Map
【HP】http://www.nct9.ne.jp/koma/komalando.htm

 

長岡でカブトムシを採集できるおすすめスポット

最後に、長岡市内でカブトムシが採れる、その他のおすすめスポットをご紹介します。

おぐに森林公園

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クヌギ、コナラ、クリの木が多く自生するおぐに森林公園。敷地全域でカブトムシを見つけることはできますが、特に出現しやすいのは、樹液の出る木が多い第一キャンプ場です。アウトドアを楽しみながら虫採りも楽しめるため、家族連れに人気なのも納得。

おぐに森林公園
【住所】新潟県長岡市小国町上岩田208
【電話番号】0258-95-3161
【HP】http://www.ogurin-park.com/

 

道院高原

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名峰守門岳のふもとにある道院高原。ブナやナラの木が多い林では、様々な種類の虫を見かけることができます。カブトムシよりもクワガタムシの出現率が高いのが特徴。ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ、コクワガタなどを捕獲できる可能性大です。

道院高原
【住所】新潟県長岡市栃堀8092
【電話番号】0120-330-773
【HP】http://www.tochio.net/doin/

 

カブトムシ採集のベストシーズンは、6~8月中旬。お盆を過ぎた頃から徐々に姿を見かけなくなってしまうので、採集するなら今がチャンスです。この時季にしか出会えないカブトムシを捕まえたときの感動は、きっと何物にも代えがたいはず。この夏はぜひ長岡の森に出かけて、とっておきの思い出をつくってみてください!

 

Text & Photos : Mariko Watanabe

 

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