30人の娘たち。
「本当はずっと女の子が欲しかったんです。自分の娘にバトンを教えたかったって。でも、スクールを始めてからはそう思わなくなりました」栄美さんには今、30人近くの“娘”がいます。どの子も、みんな可愛くて、愛おしい。「だからこそ、1位の選手を手放しで褒めないようにしています。私が褒めなくても、世間の皆様が褒めてくださるから。1位をとれなかった子に対して、その悔しさを忘れないでね、といつも声をかけています」生徒が悔しさを乗り越えて成長できるようにと、栄美さんは、必ず気づいたことや感じたことをバトンノートに書くように指導しています。「他の誰の言葉よりも、過去の自分の言葉が、くじけそうになった時に自分を奮い立たせてくれると思うんです」。
設立から今年で10年目。「こうしてスクールを続けることができたのも長岡のみなさまのおかげ。これからもバトンを教えることで、少しでも長岡の役に立てたらと思っています」と栄美さん。今日もアオーレ長岡の体育館は、夜の9時頃までこうこうと灯りがつき、ひときわ明るい栄美さんの声が響き渡ります。
Y’sバトンスタジオの志
「バトンを初めて回した気持ちを忘れない」
2歳でバトンを手にして以来、長年バトン人生を歩んできました。一本のバトンをきっかけに、人との接し方や、物事の取り組み方など、たくさんのことを学んできました。多くの人と出会い、さまざまな経験をさせてもらいました。そのことに感謝しながら、初心を忘れずに、これからも心を込めて、生徒さんたちの指導にあたりたいと思います。
(Y’sバトンスタジオ 代表 上杉栄美)
「笑顔で演技し、全国1位になりたい」
これまでの最高記録は、全日本大会3位。目の前の目標としては、次の大会で全国1位を目指します。でも、順位よりも大切なのは、笑顔で最高の演技をすること。練習の時も本番と同じような気持ちで演技をしています。
※安藤さんは取材後の全日本選手権トゥーバトン部門で見事1位に輝きました。
(Y’sバトンスタジオ 安藤さやか)
「バトンが回せる保育士さんになりたい」
これまで新しい技ができるようになる度に、自分の成長を感じてきました。次の大会では悔いの残らないように、これまで身につけた力のすべてを出し切りたいと思います。将来の夢は保育士。高校卒業後は、バトンが回せる保育士さんを目指します。
(Y’sバトンスタジオ 難波彩花)