川口の未来を照らす、祭りの火

2016/7/20
実行委員長 小宮山 正久さん
「火ぼたる祭」の実行委員長を務める傍ら、川口町商工会の会長、地域委員としての活動も精力的に行う。

「火ぼたる祭」の実行委員長を務める傍ら、川口町商工会の会長、地域委員としての活動も精力的に行う。

 

2万のホタルが舞い降りる夜。

夕暮れとともに、約2万本のキャンドルに灯がともる瞬間。雪景色の中に、たくさんのホタルが舞い降りたかのような幻想的な世界が広がります。川口の冬の風物詩になっている「えちごかわぐち雪洞火ぼたる祭」。その実行委員長を務めているのが、小宮山正久さん(64歳)です。「毎年2月の第4土曜日に開かれるんですが、2月の長岡と言えば、年間を通じても最も寒い時期。平均気温は1℃や2℃すが、長時間外で過ごすと体感温度は氷点下です」。そんな寒さを忘れてしまうほど、お祭り当日は長岡市の内外から人が集まり、大いに盛り上がります。最大の特長は、何と言っても市民が参加できるレクリエーションが盛りだくさんなところ。地元食材を使った美味しい料理が味わえる「うまいもの屋台」が多数出店するほか、大人も子どもも参加して、ひたすら雪を積んで高さを競い合う「雪積み合戦」、子どもが楽しめる「ジャンボ滑り台」「雪中宝さがし」など、雪国ならではの催しがたくさんあります。雪明かりの向こう側に、歓声とともに大きなスターマイン(連続発射花火)があがると終了の合図。「今年の来場者数は約2万人ほど。おかげさまで大盛況でした」。

 

雪国の知恵。

とちお遊雪まつり、スノーフェスティバル in 越路、長岡雪しか祭り、おぐに雪まつり、えちごかわぐち雪洞火ぼたる祭、古志の火まつり。今でこそ、長岡6大冬まつりの一つにその名を連ねるイベントになりましたが、意外にもその歴史は浅く、はじまりは13年前のこと。「町おこしの目玉になるようなイベントをつくれないかと、知恵をこらしたんでしょう。雪を使って何かできないか」豪雪地帯ならではの発想から、小さなかまくらに火を灯す「火ぼたる」が生まれました。「つくり方は簡単。バケツに雪をつめて、ひっくり返せば、ほらね」小宮山さんの手にかかると、あっという間に小さなかまくらが出来上がります。かまくらさえできれば、あとは中をシャベルで掘って、キャンドルを入れるだけ。子どもでも簡単につくれるところも「火ぼたる」の魅力です。「地域のみなさんの協力なしには、お祭りはできません。毎年、川口中学校の生徒さんにお願いして、雪洞づくりを手伝ってもらっています」各町内にもろうそくを配り、祭りの日一日は、川口全体が雪明かり一色になります。

「火ぼたる」づくりはすべて手作業。火が消えないように、風よけのコップにキャンドルを入れる。

「火ぼたる」づくりはすべて手作業。火が消えないように、風よけのコップにキャンドルを入れる。

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