女の子(?)桃色オグニー

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続いては、「桃オグニー」のもとへ。桃色のライトが点灯し、スピーカーからは女性アーティストのアップテンポかつ明るい曲が流れる、なんだか音楽フェスティバルの会場のような一角が。子どもたちがシャボン玉を飛ばし、走り回っている。

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子どもたちの中心には、桃色の体に光をまとった「桃オグニー」の姿があった。桃オグニーは、髪型(?)や動きから女の子オグニーと思われる。子どもたちと仲良くシャボン玉を一緒に作っており、なんとも平和な光景である。

可愛らしい動きで歩きまわっていたかと思えば、大型扇風機で一気にシャボン玉を吹き飛ばし、会場内に充満させたりと、いきなり過激な行動も。予想外のアクションを取ってくれる桃オグニー。

暗闇の中、桃色の光を反射するシャボン玉が舞う幻想的な光景に見とれているうちに気がついた。そうか! これがTwitterインタビューでオグニーが語っていた『光る玉』の正体か!

なんだかほっこりするスペースであった。

 

光の中でオグニーと記念撮影!
緑オグニー

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続いては「緑オグニー」へ。会場の最も奥にあるスペースである。緑色に光る四角形の物体の周りにお客さんが吸い寄せられるように集まっていく。

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四角い物体の中には、緑色に光るオグニーの姿が。地球人スタッフによると、この中に入って緑オグニーと一緒に記念撮影ができるのだとか。

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はじめは怖がっていた子どもたちも、入ってしまえば仲良く写真に収まっていた。ここでもオグニーは子どもたちに対してフレンドリーに接しており、怖さをまったく感じない……。

 

一緒に写真を撮り、手形をもらおう!
ファンキーな黄オグニー

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こちらは「黄オグニー」。なかなか風格のある体格をした2人のコンビだ。写真のポーズをビシッと決め、お客さんと一緒に写真を取ったり、道行く我々地球人にちょっかいを出したり。オグニーの中でもとくにファンキーかつフレンドリーな姿を見せてくれていたが、意に反して子どもたちに怖がられる率が高いようだった。少しばかり気の毒でもある。

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「ドン!」という鈍い音とともに手形を押してくれる黄オグニー

黄オグニーからは、「手形」をもらうことができた。彼らの母星である「オプス星」の特別な手形なんだそう。友好の証として、形になるものをもらえるのは嬉しいかぎりなのだが、用途を聞くと「ニー!」の一点張りである。地球人スタッフも席を外しており、手形の正式な用途は聞き出すことができなかった……。

 

光輝くディスコで宇宙人と一緒にダンス!

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5色のオグニーの最後にご紹介するのは、赤オグニー。案内には「オグニーとたのしくダンスしよう」とある。リーダー格の赤オグニーを中心とするオグニーダンスチームが、公園内にある野外ステージでダンス! 誰もが知っている有名ディスコ曲を中心に、キレのある動きで観客を沸かせていた。

老若男女問わず、自然に体が動くような絶妙な選曲で、時折ステージから降りてきてはお客さんと一緒に踊るオグニーの姿も。

なんともゴキゲンな雰囲気である。我々も潜入調査を忘れて踊りそうになってしまった。

「なんだ、本当に地球人と仲良くなりたいだけだったんだ」

あっけにとられている我々調査チームだったが、最後になり、イベントの全貌が明らかになった。会場内を取り仕切っている人物への接触に成功したのだ。「チームオグニー」のディレクター、長岡造形大学の長瀬公彦教授である。

 

チームオグニーとは

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チームオグニーのみなさん。後列中央が長瀬教授。

「オグニーリターンズ」を仕掛けたのは、長岡造形大学・長瀬公彦教授とそのゼミ生を中心とする「チームオグニー」。長岡市小国支所、おぐに森林公園と協力し、イベントを企画した。長瀬研究室では、グラフィックデザインや広告制作などを研究している。

きっかけは「長岡市地域の宝磨き上げ事業(※)」として小国町では、おぐに森林公園と小国和紙が選出されたこと。長瀬ゼミが数年前から小国町の地域活性化活動に協力している経緯から、この宝磨き事業に長瀬ゼミが関わることになった。

(※ 平成26年度に各地域委員会で「地域の宝」が選定され、合併10年以降の地域振興の柱として、地域住民主体の取り組みによって、この「地域の宝」を磨き上げていく目的で制定)

 

きっかけは、学生のひとこと

おぐに森林公園で宇宙人をテーマにしたイベントを企画することになったきっかけは、ある学生のひとことだった。森林公園入口に建つ紙の美術博物館(オプスタワー)を見た長瀬ゼミの学生の一人が「地球防衛軍の基地に見える」と発した事から、地球防衛軍と宇宙人のイベント企画案を出し、そこから転じて宇宙人によるイベントを提案するに至ったのだそう。

学生主体のチームオグニーを結成し、自分たちで何が楽しいのか、どうやったら多くの方が小国町へ足を運んでくれるかを考え、イベントを企画。自分たちの手でイチからイベントを作り上げてきた。

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イベント公式グッズも制作。すべてをイチから企画した。

長瀬教授は学生にイベント運営全般を任せる狙いを語ってくれた。「学生が自らの手で実際にイベント実施を行うことで、自らの企画や広告の効果をお客さんの反応から知ることができます。実施では仮想のものでしかなかったものが、生の反応を知る機会まで得られることから、通常の授業課題とは違った大きな効果と達成感を経験できると考えています」と長瀬教授は語る。

2015年に開催したオグニーの第1回となるイベント「未知との接触」は、「宇宙肝試し」がテーマ。「小国に宇宙人あらわる!?」というインパクトの強いフライヤーなどで告知を行うなど、周知活動にも力を入れた。

これまでおぐに森林公園で行ってきた他のイベントよりも反応がよかったため、2016年に2回目の企画として「オグニーリターンズ」を開催することとなった。

今後の展望について長瀬教授は「将来的には、私の研究室のみならず、チームオグニーを主にして、地域でオグニーを作っていって欲しいと考えています」と話す。

 

今後も地元に根付いていくイベントへ

2016年開催の「オグニーリターンズ」のテーマは「光」。カラフルな色をまとい、暗闇の中で光るオグニーは、目で動きを追うだけでも楽しかった。

2015年に行われた第1回のオグニーイベントは「肝試し」要素が強かったようだが、今回は、全体的にピースフルな雰囲気がただよう、拍子抜けするほど友好的な空間がおぐに森林公園にできあがっていた。野外ステージのディスコを中心に、まるで音楽フェスや夏祭りに来ているかのようなワクワク感が充満し、終始、はしゃぐ子どもたちの笑い声が響いていた。

来場者の方にお話を聞くと、「去年とはまったく違った内容で、楽しかった」「来年はどんなイベントになるのか楽しみ」といった声が。

また、地元・小国町の方からは「小国では他にこうした形のイベントがないので、どんどん広げていってもらい、小国のPRにもなれば」という声も聞かれた。

2016年は「長岡まつり大花火大会」などのイベントにも登場したり、テレビ局からの取材を受けたりと、チームオグニーや地元の方たちの期待通り「オグニー」の知名度は、長岡市を中心に広がりをみせている。地道なフライヤー配布の効果も着実に出ているという。

一般の方もSNSやブログ等で取り上げるなど、認知度が高まっている「オグニー」。今後も地元に根付いたイベントにするべく、チームオグニーの取り組みは続いていく。

 

Text and Photos: Junpei Takeya

 

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