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2月26日に開催決定! 豪雪の長岡で育まれた食材を堪能する「スノーフルコース」

学ぶ食べる
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2017年 1月 25日 | な!ナガオカ スタッフ

豪雪地帯として知られる新潟県長岡市。この冬は雪の便りが遅かったものの、1月半ばから見舞われた大雪で、市民の暮らしは一気に雪国モードへ。いつもより早起きして家の前を雪かきしたり、車の雪下ろしをしたりと、この季節だけの雑務も増え、日常が一変します。

大歓迎とはいかない雪ですが、それがあるから醸成される豊かな文化もあり、様々な恩恵を受けていることも確か。2016年2月20日、長岡の冬の風物詩「長岡雪しか祭り」に合わせて開催され、長岡市内外の34人が雪からの贈り物を満喫した「スノーフルコース」も、雪に思いを寄せるイベントとして大いに盛り上がりました。

今年も2月26日に開催が決定し、着々と準備が進行中の同イベント。どんな思いで企画・運営に当たっているのか聞くべく、プロジェクトディレクターの栗原里奈さんに会いました。

 

雪国の食と文化をきちんと伝えたい

――まずは、栗原さんにいくつか質問を。
どのような経緯で「スノーフルコース」の企画は生まれたのでしょう?

栗原「ながおか・若者・しごと機構の『ながおか若者会議』で様々なプロジェクトが立ち上がる中、食に興味のある人たちの『食チーム』がワークショップを重ね、豪雪地帯ならではの暮らしと食を再認識してブランド化を進めていました。その過程で、一夜限りのスペシャルディナー『スノーフルコース』のアイデアが生まれたんです。雪国の食文化、伝統、歴史、風土を体感するイベントで、昨年の第1回は若者会議に参加したメンバーが中心となって企画しました」

――日程と会場を「長岡雪しか祭り」に合わせたのはなぜでしょう?

栗原「まずは、雪やお祭りの雪花火を鑑賞しながら料理を味わってほしいという意図がありました。『長岡雪しか祭り』の『雪しか』とは、冷蔵庫が普及する以前、雪を冷蔵用に販売していた『雪しか屋』の屋号に由来することもあり、雪文化つながりのお祭りと同時に開催してみたらどうだろうかと。そこで、雪しか祭り実行委員会の人にも加わってもらい、一緒に進めていきました」

02栗原さんインタビューカット

「スノーフルコース」企画・運営を担当する栗原里奈さん。 Photo: Tetsuro Ikeda (PEOPLE ISLAND PHOTO STUDIO)

 

食事と花火で彩られた昨年度

長岡市で活躍する食のプロフェッショナルが集結するながおか若者会議・食チーム。それぞれの得意分野を生かしてアイデアを出し合って料理のメニューを決め、ジャンルを横断しつつ「スノーフルコース」の企画は練り上げられていきました。

ここからは2016年2月20日に開催された、昨年の様子をお伝えします。

会場は、「長岡雪しか祭り」が開催されている千秋が原ふるさとの森内の長岡リリックホール。バスに乗り、到着した参加者たちは「雪しか祭り」名物の塞の神を見学してからホールへ。

「長岡雪しか祭り」名物の犀の神。1年の無病息災を祈願します。

「長岡雪しか祭り」名物の塞の神。1年の無病息災を祈願します。

白いクロスが掛けられ、レストランのような設えで整えられたテーブルがずらり。長岡造形大学の学生が長岡市小国町の「小国和紙」で作った光るフラワーベースと、料理やお酒について記した手書きのプレースマットが置かれ、温もりを演出。和紙も雪の恵みを受けて作られたものだということが、この後のトークで語られました。

見慣れた長岡リリックホールのホワイエが今宵限りのレストランに変身!

コンサートホールやシアターがあり、様々な公演が開催される長岡リリックホールのホワイエが今宵限りのレストランに変身!

20160220SNOW FULL COURSE-テーブルコーデトリミング

05テーブルコーデ

全員が着席したのを見計らって、朝日酒造の蔵人による越後酒造り唄で開宴。雪が降る時期に最盛期を迎える酒造りは連日の夜通し作業となり、辛さや寒さ、眠気を紛らわせ、気持ちを奮い立たせるために歌われた唄です。

独特の名調子が耳に心地よい越後酒造り唄。作業時間を計り、仲間とリズムを合わせる目的もあるのだとか。

独特の名調子が耳に心地よい越後酒造り唄。作業時間を計り、仲間とリズムを合わせる目的もあるのだとか。

08食前酒

コースの料理は地酒とのマリアージュもテーマのひとつ。「日本酒で乾杯!」が酒どころ・長岡スタイルです。

酒造り唄の後は、みんなで乾杯! 升に入った朝日山の千寿盃が振舞われ、食チームのリーダーでSUZUグループオーナーシェフの鈴木将さんによる「雪国の暮らしや文化をまるごと楽しんでください」と挨拶からコースが始まりました。

4人のシェフが日本酒との調和を意識して考案し、手がけた創作料理は、冬にうま味を増した食材と長岡ならではの郷土料理がベース。ストーリー仕立てで地酒と共に提供され、シェフそれぞれが料理に込めた想いを聞きながら味わうフルコースとなりました。

 

雪室でうま味アップ、野菜尽くしのひと皿目

「前菜~雪国保存食の歴史。新食文化の提案~」

「前菜~雪国保存食の歴史。新食文化の提案~」

前菜は2種用意され、まずは鈴木将さんによる「前菜~雪国保存食の歴史。新食文化の提案~」からスタート。雪室で貯蔵し、うま味が増した大根、ニンジン、ジャガイモなど5種の野菜を使い、個性を生かした食べ方を新提案。伝統ある酒蔵の日本酒は、フレッシュハーブを浮かせてワイングラスでいただきます。

「吉乃川 ワイン酵母仕込み ハーブとグレープフルーツのカルテル」

「吉乃川 ワイン酵母仕込み ハーブとグレープフルーツのカクテル」

 

酒盗や酒粕、発酵食でお酒が進むふた皿目

「前菜~地場野菜の創作。長岡ガストロノミーの可能性~」

「前菜~地場野菜の創作。長岡ガストロノミーの可能性~」

続くもう1種は、朝日酒造直営の日本料理店「あさひ山 蛍庵」の浅野訓弘さんによる「前菜~地場野菜の創作。長岡ガストロノミーの可能性~」。酒粕や酒盗を使ったお酒が進む内容で、契約農家が作った野菜を使って見た目も華やか。料理に華を添えるのは、雪を眺めつつ味わうのにぴったりの地酒「越州 雪げしき」でした。

 

地鶏も野菜も栃尾産のメインディッシュ

「~豪雪地栃尾地区の恵みと伝統~栃尾産新潟地鶏と栃尾産ヒラタケのクリーム煮込 煮菜と醤油の実を添えて」

「~豪雪地栃尾地区の恵みと伝統~栃尾産新潟地鶏と栃尾産ヒラタケのクリーム煮込 煮菜と醤油の実を添えて」

お待ちかねのメインディッシュは「とちおの洋食屋さん espoir」オーナーシェフの高林正和さんから、栃尾の菅畑集落で育てられた地鶏「虎千代鶏」を使用したひと皿、「~豪雪地栃尾地区の恵みと伝統~栃尾産新潟地鶏と栃尾産ヒラタケのクリーム煮込 煮菜と醤油の実を添えて」です。栃尾・毘沙門堂のおからを使ったサラダと栃堀産の“世界一の大豆”のサラダ、甘く煮た白ニンジンも添えて、それぞれの食感を生かした栃尾食材のハーモニー。同じく栃尾産「越の鶴 壱醸 純米酒」が、共に味わうお酒として添えられました。

 

締めは長岡の郷土料理「のっぺ」のわっぱ飯

越後ののっぺいのわっぱ飯「お食事 ~暮らしの知恵 世界に誇るくいだおれの町~」。奥は「ぜんまいとなめこの味噌汁」

越後ののっぺいのわっぱ飯「お食事 ~暮らしの知恵 世界に誇るくいだおれの町~」。奥は「ぜんまいとなめこの味噌汁」

 続く鈴木将さんの越後ののっぺいのわっぱ飯「お食事 ~暮らしの知恵 世界に誇るくいだおれの町~」は、雪が積もるお正月に食べる長岡の郷土料理「のっぺ」がベース。シイタケや干し野菜、ホタテで取った出汁をしっかり利かせ、具材ゴロゴロのごはんにいくらたっぷりのハレの日仕様。

 

新潟の希少なイチゴ「越後姫」のデザート

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「甘味~その先の未来へ 雪国の可能性~」

デザートは「PATISSERIE CAFE VIGO」のオーナーパティシエ、河上剣斗さん作の「甘味~その先の未来へ 雪国の可能性~」。ジューシーで柔らかいため、流通に乗りづらい新潟のイチゴ「越後姫」と、冬のたんぱく源を補おうと豪雪地帯で伝統的に作られてきた大豆の保存食「うち豆」を使用。

長岡市民を中心とする34名のゲストが共にフルコースを楽しみました。

長岡市民を中心とする34名のゲストが共にフルコースを楽しみました。

そのデザートのタイミングで、大輪の花火が上がるという粋な演出が。雪上の最高のロケーションで、真冬の澄んだ空に咲いた花火の美しさにみんなうっとり。シャッターチャンスにスマホやカメラを取り出す人も。

15外の花火

16雪花火を撮影

スタッフとゲスト、みんなで記念写真。和やかな雰囲気でお開きに。

スタッフとゲスト、みんなで記念写真。和やかな雰囲気でお開きに。

2016年の様子は下の動画でも見ることができます。

 

期待が高まる第2回、今年はランチを

――大盛況を果たした昨年ですが、今年の企画はどんなものになる予定なのでしょう。

栗原「昨年、お客さまからたくさんの感想をいただきました。『長岡で暮らしていて、雪がうっとうしいと思っていたけれど、恵みがあることに気付けました』など概ね好評でしたが、内容が盛りだくさんだったので『もっとゆっくり食事を楽しみたかった』という意見も。そこで今年は、食事中にイベントを詰め込まず、1時間ほどのランチを計画中です。

県外の方を長岡に呼び込みたいので、今回は1泊2日の『スノーツアー』に『スノーフルコース』を組み込んで実施します。昨年のイベントにも登場した朝日酒造と小国和紙を見学したり、紙漉きを体験したり、夜には『雪洞火ぼたる祭』もあり、雪上花火も。今後は単発ではなく、冬季のイベントとして2月・3月を『雪国越後食の文化祭~スノーガストロノミーフェスティバル~』として盛り上げ、雪が多い長岡だからこその豊かな食と文化をより多くの人に伝えていきたいですね」

20屋外の栗原さん

Photo: Tetsuro Ikeda (PEOPLE ISLAND PHOTO STUDIO)

長岡の雄大な自然環境と豪雪がもたらす贅沢な「スノーフルコース」を、ランチで気軽に味わい、長岡を再発見するチャンス。雪がちょっとしんどいなと感じている人、雪にもっと親しみたい人は、そのギフトを受け止めてみてはいかがでしょう。

 

スノーフルコース
[日時]2月26日(日)11:45〜12:55 (長岡駅集合11:00・解散13:30)
[料金]3,000円
[電話]0258-86-6008(ながおか・若者・しごと機構)
[定員]先着20名

 

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