【お試し移住者インタビュー②】至近距離でアウトドア三昧!20代エンジニア・福田さんの場合

リモートワークが普及した現代、好きな場所を選んで働く人たちが増えています。都会の喧騒から離れ、ゆったりとした田舎暮らしをしたり、海や山の近くに住んだり。ワーケーションで土地を転々とすることだって可能です。
そんな暮らしのシフトチェンジをお考えの方に、新潟県長岡市では空き家を活用した「移住お試し体験」のプログラムを用意しています。本シリーズは、その利用者に実際制度を活用してみての感想や、長岡氏の印象を伺っていくもの。前回は、宮城県仙台市から参加した、子育て世代の山下さんご一家にインタビューしました。

【お試し移住者インタビュー①】「長岡は子育てしやすい」って本当? 山下さんご一家の場合

 

今回お試し移住体験をしたのは、愛知県岡崎市から来た20代・福田雄野(ふくだかずの)さん。大のスキー愛好家で、全国のスキー場に足を運ぶのが何よりも楽しみなのだとか。パソコンひとつで身軽に仕事ができるエンジニアのため、これまでに北海道でワーケーションをした経験もあるそうです。

福田さんは2023年2月10日~18日の9日間、長岡市で移住生活を体験。その本音の感想を伺いました。

今回、福田さんがお試し移住した一軒家。JR長岡駅から徒歩13分の場所にあります。

 

移住検討のわけは
「思う存分スキーをしたい」

長岡でお試し移住体験をした福田雄野さん。

 

――今回、福田さんがお試し移住をしたのはなぜでしょうか?

私が勤めている会社のサテライトオフィスが長岡にできたからです。Web上で決済が完結するワークフローサービスに取り組むDX企業で、普段から自宅で仕事をしているんですよ。出社するのは月に2~3回程度ですね。つまり、パソコンさえあればどこでも仕事ができるんです。

建前としてはサテライトオフィスが設置されたからなんですが……。移住体験を決めた本当の理由は、思う存分スキーを楽しみたいからですね。昔から雪国に住んでみたかったんです。現在私が住んでいる愛知県岡崎市は、最寄りのスキー場まで2時間ほどで、しかもスキー場の選択肢が少ないんです。なので、長岡に住むのはいいなと前向きに考えています。

――お試し移住前に、長岡に来たことがあるそうですね!

はい、実は学生時代に、長岡花火を見に来たことがあります。ですが、すごく混んでいて席取りもままならずで、花火を満喫できなかったんです……。あまり観光もできなかったので、長岡のことが全然わからずに帰路につきました。

――それは残念でしたね……。ところで現在、福田さんが住んでいる岡崎市と長岡市の違いをどう感じましたか?

今回、長岡市役所の方に、車で市内全体を案内してもらいました。まちなかや田園風景が広がる郊外、山間部にも行ったんですよ。のどかな雰囲気は、岡崎市とよく似ていますね。ただし岡崎市の場合は、ブドウ園が広がっています。長岡はさすがお米がおいしい土地なだけあって、田んぼだらけでしたね。

郊外エリア。冬は辺り一面真っ白ですが、春から夏にかけては緑の田んぼが広がります。秋の黄金色に輝く景色も美しいです(撮影:佐藤亮)。

――JR長岡駅前も散策したんですよね。岡崎市と比べていかがですか?

駅前は長岡の方が栄えていると感じました。特に、駅からすぐ近くにある市役所(アオーレ長岡)には驚きました。市役所らしからぬオシャレな建物ですね。

JR長岡駅と連結する複合型施設「アオーレ長岡」。市役所やホール、交流スペースが一体化している全国でもめずらしい建物(撮影:池戸煕邦)。

 

長岡でのリモートワーク、
利便性はどうですか?

――福田さんのお仕事は、パソコンやWi-Fi環境さえあればどこでもできるんですよね。今回の滞在でもお仕事をする時間は長かったのですか?

そうですね。一日中仕事という日もありました。ここ(お試し居住地)で仕事をしたり、長岡駅裏前にあるサテライトオフィスに行ったり。まったく問題なく普段通りに仕事ができました。

ただし、私はエンジニア寄りの仕事をしているので、大きなモニターがないと作業効率は落ちますね。もちろんパソコンとWi-Fiさえあれば仕事はできるんですけど……。だから、ワーケーションも良いのですが、モニターが置ける拠点を構えての移住の方が仕事はしやすいです。

滞在中のほとんどの時間、仕事をしていたという福田さん。全国どこでも仕事ができるフレキシブルな会社なので、逆にどこに住むべきか思案中とのこと……。

――見知らぬ土地に移住することに対して、不安はありませんか?

特にないですね。強いていえば、縁もゆかりもない土地なので、人とのつながりがあまりないことでしょうか。

――仕事関係の人とのつながりが欲しいなら、長岡駅前にあるコワーキングスペース「NaDeC BASE」がおすすめですよ。市内4大学・1高専と商工会議所、長岡市が運営しています。いろんな分野の企業家が集まるので、きっとおもしろい出会いがあると思います。

 

各地のスキー場を巡りたい!
アクセスの良さが高ポイント

――福田さんは大のスキー愛好家とのこと。やはり長岡滞在中はスキー場へ遊びに出かけたのですか?

はい、9日間の滞在で新潟県内の2カ所のスキー場へ行きました。最初に行ったのが、妙高市の「池の平温泉アルペンブリックスキー場」です。高速道路を走って長岡から1時間半ほどかかりましたかね。石川県在住の友人と待ち合わせて、一緒に滑ったんですよ。パーク(ジャンプ台などのアイテム)が充実していましたし、雪がゆるんでいてベストなコンディションでした。

別の日には、南魚沼市の「上越国際スキー場」へ行きました。午前中に仕事を終えた後、お昼頃から現地に向かったのですが、十分に楽しめました。スキー場にアクセスしやすい環境は最高ですね。

今回の滞在時に訪れた「池の平温泉アルペンブリックスキー場」。福田さんは、上級者コースを楽しめるほどの腕前なのだとか(撮影:福田さん)。

――福田さんがスキーを語る時、表情が輝いていますね!雪国に住んだら、どんな生活をしてみたいですか?

とにかくスキー三昧をしたいです(笑)。長岡に住んでいたら、2~3時間かければいろんなスキー場へ行けますよね。次に行ってみたい新潟県内のエリアは、湯沢、八海山、南魚沼あたりです。少し足を延ばして、東北地方にも行ってみたいですね。

――スキー場のすぐ近くに住むということは考えていないのですか?

それはあまり考えていないんです。というのも、スキー場の近くは観光地化しているイメージですし、スーパーやドラッグストアなど、生活に必要なお店が充実している地域に住む方が良いなと思っています。

同じスキー場に何度も通うのではなく、いろんなスキー場を体験してみたいんです。だからこそ、長岡の立地はちょうどいいと感じています。

――もし長岡に住むとしたら、どのエリアに住みたいですか?

高速道路のICに近い場所がいいですね。駅前や商業施設が並ぶエリアは便利なんですけど、道路が混むことがわかりました。あくまでもスキーを中心に、居住エリアを検討しています(笑)

参考記事:
長岡から好アクセスのおすすめスキー場!実は湯沢・妙高方面も行きやすい(外部サイト:長岡のはじめ方)

――スキー以外にも、アウトドア全般に興味があるようですね。

登山や渓流釣りなど、自然での遊びが好きです。長岡には「Parr Mark(パーマーク)」という有名なアウトドアショップがありますよね。以前からサイトをチェックしていて、今回のお試し移住体験をきっかけに、念願のリアル店舗を訪ねることができました。マニアックな道具が並んでいて、最高に楽しかったです。

長岡市西宮内にあるアウトドア専門店「Parr Mark(パーマーク)」(撮影:福田さん)。

 

冬季は雪&曇り空の日々ですが
憂鬱になったりしませんか?

――長岡の冬はたくさんの雪が降ります。今年の降雪量は少なかったですけど……。雪に対する抵抗感はありませんか?

ずっと雪国で暮らしたいと思っていたので、むしろ雪は歓迎です。今回、実際に長岡へ来てみて意外なほど雪が少なかったのに驚きました。

実は、私は学生時代に富山に住んでいたので、寒い気候には慣れているんです。雪かきも問題なくこなせるかなと思います。

――冬の新潟は曇り空で、ほぼ毎日空の色がグレーです。低気圧気味なので、なかには頭痛に悩まされる方もいるみたいですが、福田さんは大丈夫ですか?

まったく気になりませんね。今日の天気は空の色がグレーですけど、少し日が差しているから、これを新潟の方は「晴れ」と表現するんですね。

長岡人にとっての冬の「晴れ」とは、ほんの少し雲の合間に空が見えるこの天気(撮影:新稲ずな)。

 

雪国・長岡ならではの
独特なアパート事情も

――現在、福田さんは実家暮らしですか?一人暮らしですか?

実家暮らしです。移住するとしたら、アパートやマンションを借りる必要がありますね。

――雪国・長岡のアパートには、ほかとちょっと違う特徴があります。まず、洗濯物が乾きやすいように、物干し機能を備えたサンルームがある物件が多いです。冬も夏も湿気が多い気候なので、快適に生活したいならあると便利ですよ。

それと、アパート前の道路や駐車場には、消雪パイプが設置されていることが多いです。雪かきが楽になるので助かりますが、その分家賃が割高になっています。

今住んでいる愛知県では、サンルームが設置されたアパートはめずらしいです。雪国ならではですね。

――外に物置が設置されているアパートも多いんですよ。長岡ではスノータイヤが必須なので、保管スペースとして助かると思います。

確かに…!スノータイヤの置き場所についてまで考えていませんでした。私はスキー板を4台もっているので、かなりスペースが必要だと思います。

――スキー板4台は多いですね!さすがにそれは物置に入りきらない可能性が高いので、その場合はレンタル倉庫を使うのも手かもしれませんね。

長岡のアパートに設置されていることが多い外部物置。スノータイヤや雪かき道具を収納できます。

 

おいしいものがいっぱい!
新潟グルメを満喫

――滞在中に新潟のご当地グルメは食べましたか?

いろいろ食べましたよ! 知人に連れて行ってもらった居酒屋「たこの壺」で、たこしゃぶを初体験しました。佐渡沖でとれた魚介を使ったお店で、予約がとれない人気店のようですね。こちらで「栃尾のあぶらげ」「ひげにんにくの天ぷら」もいただきました。

長岡市の山間地である栃尾の名物グルメ「栃尾のあぶらげ」。通常のあぶらげの3倍近くのビッグサイズ。

 

長岡市川口エリアの名物「ひげにんにく」は、マイルドな味でにおいが残りにくいです(撮影:唐澤頼充)。

参考記事:
「油っぽくない、あぶらげ」 そこに隠された秘密とは…|な!ナガオカ

「ひも」屋が作った「ひげ」にんにく!? 新食材に込められた地域おこしへの熱い想い|な!ナガオカ

あと、「小島屋総本店」のへぎそばとタレカツ丼、「ラーメンあおきや」の生姜醤油ラーメン、「フレンド」のイタリアンも食べました。イタリアンは不思議な味でしたが、なかなかおいしかったです。

新潟の「県民食」ともいえるファストフード「イタリアン」は、焼きそばにミートソースをかけた個性的な料理(撮影:福田さん)。

参考記事:
時代を超えて愛される昭和の味とノスタルジー。長岡「フレンド」60年の歴史を探る|な!ナガオカ

――今回は食べられなかったけど、次回はぜひ食べたいと考えている新潟グルメはありますか?

お肉が好きなので、村上牛を食べてみたいですね。あと、背脂で有名な燕三条ラーメンも気になっています。同じ新潟でもエリアによって、食に特徴があっておもしろいですね。

――最後に、福田さんにとって理想の暮らし方を教えてください。

理想でいえば、週に一度は「午前はスキー、午後は仕事」といったライフスタイルを実現したいです。実際にそのように趣味を満喫できる生活をしている方もいるので、不可能ではないのかも? とりあえずは、雪国に移住する夢を叶えたいなと思っています。

今回のお試し移住で福田さんが持参したスキー板。LINE、Armadaなど、有名ブランド品を4台所有しています。

 

「上越国際スキー場」のナイターゲレンデ。仕事後のスキーでも疲れはなく、楽しくて何時間も滑ってしまうそう(撮影:福田さん)。

人生における価値観は人それぞれ。リモートワークが普及したいま、各々の「好きなこと」を満喫できる暮らしが叶いやすくなっており、福田さんのようにスキーを楽しむために雪国へ移住するのはごく自然なことだといえます。長岡なら各地のスキー場へアクセスしやすく、スノースポーツ好きの方にとっても理想的な生活ができそうです。

長岡市では、お試し移住体験をしてみたい県外の方を募集しています。詳しくはこちらのサイトをご覧ください。

長岡のはじめ方(長岡市移住定住ポータルサイト)

 

 

Text:渡辺まりこ

 

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