【天然記念メシ】油揚げをディップ! amicoの「とちおチーズフォンデュ」
2017.2.25
「長岡でしか食べられない」「ほかの人が思いつかないであろう組み合わせ」「その店がなくなったらもう二度と食べられない」――。
長岡に存在する、そんなグルメをご紹介する連載企画「天然記念メシ」。
第4回は、栃尾の名物を使った、イタリア料理店の逸品をご紹介します。
アツアツに熱したチーズに、バゲット(パン)を浸して食べるチーズフォンデュ。スイスやフランス、イタリアの伝統的な家庭料理ですが、その食べ方の楽しさもあって、いまや日本でもすっかりおなじみです。
新潟県長岡市の栃尾地区では、なんとバゲットの代わりに地元名物の大きくて分厚い「ジャンボあぶらげ(油揚げ)」を浸して食す「とちおフォンデュ」というメニューが存在します。
提供するのは栃尾のイタリア料理店「amico」。特注の薪窯から繰り出されるピッツァが看板メニューの地元の方を中心に愛されているお店ですが、今回ご紹介する「とちおフォンデュ」も看板メニューのひとつです。
チーズフォンデュとあぶらげの組み合わせ……果たして、どのような味がする料理なのでしょうか。実際に食べて来ました。
古くからあぶらげ作りが盛んな栃尾
「amico」があるのは栃尾の商店街の一角。商店街には雁木(がんぎ)と呼ばれる雪よけ用の屋根がついた風情ある「雁木造(がんぎつくり)」の道が続きます。
栃尾は古くからあぶらげ作りが盛んで、お店に到着するまでにも多くのあぶらげ屋さんを目にしました。
もろみが隠し味のこくまろチーズに脱帽!
席に着き、さっそく「とちおフォンデュ」を注文をします。
来ました! こちらが「とちおフォンデュ」!
ぐつぐつと煮えたチーズ。バーナー付きの台座に置かれていて、コポコポと音を立てています。
栃尾あぶらげ。食べやすい大きさにカットされています。表面はパリッとつややか、そして中身はふわふわに、絶妙な加減で揚げられたあぶらげに、カリッと香ばしく焼き目をつけてあります。
果たしてチーズとの相性はどんな感じなのでしょうか。
豪快にディップ! あぶらげ全体にチーズを絡ませます。
口に入れると、舌にチーズの濃厚な味が沁み込んできます。チーズの味は、あぶらげとの相性も考えて特別に配合されているそうで、コクがあります。
コクの秘密はメニューの表記に書いてありました。「明治22年創業の老舗味噌醤油製造元 三崎屋さんのもろみを隠し味に使用!」とあります。あぶらげだけでなく、チーズにも地元食材を使用しているのです。栃尾にあるお店としての誇りとこだわりを感じます。
チーズの味わいの後には、あぶらげのサクサク&ふわふわ食感が続きます。このバランスが非常に良いと感じました。あぶらげの風味はチーズによって損なわれることがないばかりか、後から利いてくるアクセントとしても機能しています。
まさかの「あぶらげ」×「チーズフォンデュ」の組み合わせ。食べるまでまったく想像がつかなかったのですが、見た目と味のインパクトもさることながら、自然に絡み合う「意外な相性の良さ」と、栃尾の食材の美味しさが際立った長岡らしい料理でもありました。
※「とちおフォンデュ」は、通常のバゲットでの注文も可能です。
「天然記念メシ度」評価
味のインパクト ★★★★★
お店とメニューのギャップ ★★☆☆☆
店主の挑戦度 ★★★★☆
長岡らしさ ★★★★★
Text and Photos: Junpei Takeya
イタリア食堂 amico -アミコ-
[住所] 新潟県長岡市栃尾大町2-5
[電話番号] 0258-52-1323
[営業時間] 【昼】平日・土11:30~14:00(L.O) 日祝11:00~15:00(L.O) 【夜】17:30~21:30(L.O)
[定休日] 水曜日、第2木曜日(※祝祭日は営業。翌日代休)
[駐車場] あり※正面含め11台。amicoの表記のあるスペースのみ駐車可
[HP] http://amico-j.com/about.html