”長岡の本当の姿”を知ってる?「長岡=○○な街」これがファイナルアンサー!
※この記事は2017年1~2月に「な!ナガオカ」が主催した「視点の学校」ワークショップにて、長岡造形大学の学生が作成したものです。
この記事を書く私たちは新潟県にある長岡造形大学に通う学生である。長岡に住み始めて早2年が経った今、友人とのある会話をもとに気づいたことがある。
「長岡には海があるよね」「長岡には栃尾の油揚げがある」「中之島のレンコンだってあるよ」「……あれ長岡って意外と広い?」「ん?長岡ってどこまで?」
……そう、私たちは長岡に住んでいるとはいえ、長岡がどこまでなのか、どんな形をしているのかを知らないのだ。そこで、わからないのであれば、長岡に住む人々に聞いてみたらいいのでは?という発想のもと、ちょっとしたアンケートを片手に聞いて回る事にした。
質問内容は「あなたのイメージする長岡の形をここに描いてください」というものである。まず、始めに長岡市民の方にお話を聞くため、長岡駅周辺での取材を進める事にした。
長岡市ってどんなカタチ?
市民の皆さんに聞いてみた
長岡に住んでいるとはいえ、なかなかその輪郭を描いてみるということは難しいようだ。「わかんないなー」「えっ、難しいな」と言いながら、恐る恐る描いてみるといった感じであった。住んではいても形までは意識したことがないらしく、正確に把握していないということがわかる。少なくとも「長岡市は新潟県の真ん中あたりにある」ということは皆さんの共通認識としてあったらしく、多くの人が白地図の真ん中に長岡市を描いていた。また、中にはアンケートに答えてもらえない方もいた。理由としては「わからないから描けない」「気にしたこともなかった」「考えたこともない」などである。「場所ならわかるんだけどなぁ〜」という声もあった。
駅周辺での聞き込みを行った後に、ちょっと離れた所にあるアートギャラリー「mu-an」に立ち寄り、そこにいた方々に聞いてみた。アンケートに答えてくださった皆さんの年代はバラバラ。長岡に住んで65年という方もいれば、市外に住んでいて、長岡に来るのは久しぶりという方もいた。
どうやら皆さん「長岡に海がある」ということは知っていたらしく、4人全員見事に一部分が海に面している。ここでは長岡の大きさの認識はそれぞれ違っていたが「長岡はやや小さい」と思われているということがわかる。
市役所の方にも聞いてみた
市民の方も長岡の形は人それぞれで曖昧であるならば、市役所に勤めている職員さんなら、私たちに正しい長岡を教えてくれるのではないだろうか? そんな期待を胸に、長岡市役所の工業振興課、広報編集課、シティプロモーション課の3名の職員さんに取材をしてきた。
それぞれペンを手に取り、目の前にあるアンケート用紙に向かう。頭を抱えている人もいるが、市役所に勤める皆さんであれば、完璧に長岡の形を把握しているだろう。こっそりアンケート用紙を覗いてみると……
実は、市役所に勤めている方でも、長岡市の形の認識は曖昧だった。「なんとなく、こんな感じ!」と自信を持って答えるというよりは、「そういえばこうだったかも……」とやや緊張気味に筆を進めるといった様子だった。しかし、ここはやはり市の職員さん。位置や大まかな形は合っている、という結果になった。
「生まれも育ちも長岡でも、途中で合併をしたこともあって、旧長岡市はわかるけど、今の長岡市はどうだったっけ……」という方もいて、と記憶が曖昧なようだ。それでも、飛び地である川口は全員描けるという面白い結果になった。
よく眺めてみると、長岡市は実はこんなカタチだった!
調査の結果、長岡市の本当の姿・形を知る人は数少ないことが判明した。だが、旧長岡市の時代から住んでいるという人にも、これから長岡市を新拠点として暮らす予定の人にも、他人に長岡市を紹介していく場面はきっとあるだろう。例えば、自己紹介の場面。「住んでいるところはどこ?」と聞かれて「長岡市です」と多くの人は答えるだろう。そこでさらに「長岡市はどんなところ?」と聞かれたらなんと答えるべきなのか。花火の街?海がある街? 新潟県の中越の街? いろんな紹介ができると思うが、聞いただけで長岡市が印象に残る紹介方法があるのではないか?
そこで私たちは、今回のテーマである長岡市の形についてもう一回改めて考えてみた。そうすると、あることに気がついたのである。
何かに、似ている……?
山形県なら男性の横顔、福井県ならおたまじゃくしの形など、あるモノの形に例えられる場所は数多くある。長岡市も何かに例えられるのではないかと考えて、じっと見つめていると……
トイプードルだ!(個人の感想です)
この「長岡市=トイプードル」説を広めれば、みんなも長岡の形や長岡そのものにもっと興味が出てくるのではないのだろうか?自己紹介の場面ではもってこいの話題になるし、ちょっとした豆知識のように誰かに教えることもできる。つまり、どこでもどんな時でも誰にでも長岡市のことがアピールでき、興味を持ってもらえるのである。これで長岡の形はトイプードル、ということは根強く印象に残るであろう。
このように何かの動物やモノに例えてみることは長岡だけでなく、他の地域でも簡単にできることである。地図を持って、じっとその形を見つめたら、きっと何か思いつくはずだ。私たちは、まず、自己紹介の場面で「長岡トイプードル説」を長岡市民の方々に広めていくことにしようと思う。
Text&Illustrations:Nao Ishizuki
Photos: Nozomi Saito