畑のまんなかで枝豆愛を叫ぶ!枝豆収穫ツアーレポート

2019/11/27

枝豆王国の長岡市では、7月初旬から10月上旬まで品種違いでさまざまな種類の枝豆が収穫されています。9月下旬の2週間だけ収穫されるのは、「一寸法師」。この品種は、JA越後ながおか 枝豆生産者部会の会員のみが作付けできる、門外不出の枝豆です。

そんな幻の枝豆「一寸法師」を収穫できるツアーが、2019年9月28日に開催されました。収穫にうかがったのは、8月に開催された「長岡枝豆ナイト」で、おいしい枝豆の茹で方を教えてくれた長岡市福戸地区のナカムラ農産さん。シーズンを通して9種類もの枝豆を育てる長岡市を代表する枝豆農家さんです。

ツアーのアテンド役は、長岡市出身の料理ユニット「ごはん同盟」のシライジュンイチとしらいのりこでお送りします。

 

収穫した枝豆は
氷水で冷やすとおいしくなる


ツアー当日、朝11時にアオーレ長岡に集合し、信濃川を渡って、ナカムラ農産の作業場へ向かいます。

出迎えてくれたのは、ナカムラ農産の高綱良毅さん。

作業場に進むと、早朝に収穫されたばかりの「一寸法師」の選別作業が、機械を使って行われていました。

「一寸法師」は、長岡の在来枝豆「肴豆」の中から小ぶりで食味が極めて優れているものを選び出し、何年もかけて種の選抜や栽培を繰り返して誕生した品種。さやの大きさがちょうど一寸(3cm)というのが名前の由来です。

さやが欠けたり曲がっていたりするもの、粒の数が少ないものを色彩選別機でおおまかに弾いたあとは、スタッフのみなさんが目視でチェック。出荷できない枝豆を手作業で取り除いていきます。その素早い手さばきにツアー参加者もびっくり!

選別の終わった枝豆は、表面の汚れを洗い流して氷水につけます。こうしてしっかり冷やしておくと、枝豆の鮮度が保てるのだとか。枝豆農家ならではのおいしさを保つ秘訣ですね。

お昼ごはんは、ナカムラ農産のご近所にある「お食事処 なご家」さんで、今年の新米コシヒカリを使った特製弁当をいただきました

 

軽トラックいっぱいの
枝豆を収穫!

しっかりと腹ごしらえをすませたら、午後からはツアーのメインイベント。「一寸法師」の収穫体験です。目の前に広がるのは広大な枝豆畑!

茎には、たくさんの枝豆が実っています。

枝豆の根元をつかんで勢いよく引き抜きます。しっかりと根が張っているから、なかなかの力仕事ですね。

うーん、なかなか抜けない!

引き抜いた枝豆は、根についた土を払って、紐でひとまとめにします。

両手いっぱいの枝豆に、参加者のみなさんも大満足の様子。

軽トラックいっぱいの枝豆が収穫できました!

 

選別作業のスピードにびっくり!

作業場に再び戻り、収穫したばかりの枝豆から莢(さや)の部分をはずします。普段、ナカムラ農産さんでは、枝豆コンバインで収穫するので機械化されているのですが、ツアーでは手もぎ作業を体験。収穫体験の山場であり、一番大変なところですね。

枝豆の茎を抑えて、実の部分を傷つけないようにていねいにはずします。

枝豆もぎは、なかなかの地味な作業なのですが、みんなで笑いながらやっていると時間もあっという間に過ぎていきますね。

もぎとった枝豆は、選別機へ。

参加者のみんなで手作業による選別作業も体験しました。ベルトコンベア全体を眺めながら、手数を少なく弾いていくのがポイント。枝豆を触りすぎると痛みやすくなるそうです。ベルトコンベアが流れるスピードはかなり早めですが、ていねいな作業も求められるのですね。

こうして収穫された枝豆のなんと美しいことよ!
それでは早速ゆでてみましょう!

大きな釜に枝豆を投入。水の量は、枝豆がヒタヒタに浸かるぐらいでよいのだそうです。
最小限の水で蒸し煮状態にして枝豆のうまみを閉じ込めます。

ゆで上がったら塩をふり、うちわであおいで冷ましてできあがり! 枝豆の緑が鮮やかですね。事前にゆでて冷やしておいた枝豆とあわせて、2種類の枝豆の食べ比べです。


ひと仕事終えたあとだからでしょうか、枝豆に伸びる手が止まりません。

枝豆農家のお母さんが作ってくれたずんだもちも、とてもおいしかったです。

 

収穫作業のあとは
長岡のおいしいものを満喫

枝豆を収穫して、ゆでたての枝豆をいただき、これにてツアー終了!というわけではありません。枝豆収穫のあとは、おいしいおやつの時間です。

訪れたのは、のどかな田舎風景が広がる長岡市宮本町に店を構える「江口だんご本店」さん。古民家を移築したという店内で手づくりするできたての笹団子や和菓子を求めて、多くの人が賑わう長岡を代表するお菓子屋さんです。


我々を出迎えてくれたのは、四代目社長の江口太郎さん。

そして、笹団子をはじめ、彩り鮮やかな和菓子の数々。収穫作業で疲れた身体を癒やしてくれる甘くて優しい味わいでした。

続いて訪れたのは、地元長岡の食材を使い、四季を感じる料理を提供する「Catering割烹 わだの」さん。
こちらが本日の交流会の会場です。

お店を営む、和田ご夫妻が出迎えてくれました。

「日本酒で乾杯を推進する条例」がある長岡市ですから、交流会の乾杯はもちろん日本酒です。

そして最初のおつまみは、「一寸法師」のゆで枝豆。先ほど、あんなにいっぱい食べたはずなのに、まだまだ食べられちゃうのが枝豆のすごいところ。

長岡の地酒と旬の食材を使ったお料理で、話も弾みます。

〆は、新米コシヒカリの土鍋ごはんと、枝豆ごはん。

 

幻の枝豆「一寸法師」を収穫する今回のツアー。最後の最後まで、まさに枝豆づくしの一日でした。
長岡の枝豆のことをしっかりと学べたので、来年の枝豆シーズンが今から待ち遠しいですね。

 

Text: シライジュンイチ
Photos: 長尾明子

 

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