ほろよい気分で長岡自慢の枝豆を堪能!「長岡ナイト」イベントレポート
2019/9/18
枝豆の作付面積が日本一の新潟県。ですが、その事実は全国的にはあまり知られていません。
東京の居酒屋で枝豆を注文すると、出てくるのは小鉢に入ったひとつかみ程度の枝豆。ザルに山盛りになった茹でたての枝豆に慣れ親しんでいる新潟出身者としては、やはり物足りなさを感じてしまいます。
自己紹介が遅れました、わたくし、「ごはん同盟」のシライジュンイチと申します。
ごはん同盟とは、料理研究家の妻・しらいのりこと一緒に活動している炊飯系フードユニットのこと。普段は、東京を拠点として、ごはんをおいしく味わう方法を多くのごはん好きのみなさんと共有するべく、炊飯教室や料理教室を開催したり、新しいレシピを考えて料理雑誌で紹介したりと、ごはんと家庭料理の仕事をしています。
ふたりとも新潟県出身で、私の実家は長岡市(旧寺泊町)、妻の実家は新潟市(旧白根市)。そんなご縁もあって、「長岡の魅力的な食材をアピールするイベントを、東京でやりましょう!」と、長岡市役所のみなさんと意気投合。そこで最初に選んだテーマ食材が「枝豆」です。
用意した枝豆は全部で25kg!
ウエルカム枝豆でお出迎え
2019年8月24日(土)、記念すべき第1回目の「長岡ナイト」が開催されました。
会場は、東京・神保町にあるイベントスペース「LAB and Kitchen」。参加者は、首都圏を中心に、「今が旬の長岡の枝豆をたらふく食べてみたい!」というメンバー約40名です。
この日のために用意された枝豆は、全部で25kg! 長岡市内福戸地区の枝豆生産者ナカムラ農産で育てられた「長岡茶豆」という品種です。
さらに、イベント当日には、朝採りしてきた根付きの枝豆が新幹線で運び込まれました。枝豆の葉の緑がとても鮮やかですね。
受付を済ませると、配られたのはウエルカム枝豆。ビールで喉を潤しながら、イベントのスタートを待ちます。もちろん、このウエルカム枝豆はおかわり自由。好きなだけ枝豆をつかみ取る、これぞ長岡流の食べ方!
キッチンでは、料理の準備が着々と進んでいます。
乾杯は長岡の地酒で!
数々の枝豆料理でお酒もすすむ
「長岡にはとてもおいしい食材がたくさんあります。本日ご用意した枝豆や長岡野菜もそのひとつ。これらを通して長岡の魅力を感じていただけたらうれしいです」
長岡市市役所シティプロモーション担当課長の斉藤さんのあいさつで、「長岡ナイト」が始まりました。
続いて乾杯です。長岡市には16の酒蔵があり、全国の市町村のなかでも京都市に次いで第2位の酒蔵数を誇ります。この長岡の日本酒文化を継承し、さらに広めていこうと2014年に制定されたのが、「長岡市日本酒で乾杯を推進する条例」。
つまり、ひとことで言うと、「長岡の酒を、乾杯でのもーれ!」というもの。「のもーれ」は長岡弁で「飲もうよ」という意味です。
長岡花火が描かれたおちょこで乾杯! 乾杯酒は朝日酒造の「久保田 萬寿」でした。う、うまい!
日本酒ブースには、長岡の4つの酒蔵(朝日酒造、吉乃川、河忠酒造、中川酒造)から計9銘柄の日本酒が並びます。
本当は、長岡の16蔵が醸す日本酒すべてを用意したいところなのですが、本日の主役はなんといっても枝豆なので、日本酒は少数精鋭のラインナップ。全国的に知名度の高い朝日酒造と吉乃川。枝豆を生産するナカムラ農産のご近所三島地区の酒蔵、河忠酒造と中川酒造というチョイスでした。
枝豆の調理法は好みがわかれるところですが、今回は茹で枝豆と蒸し枝豆に加えて、スパイスで味付けしたスパイシー枝豆も用意。3種類の枝豆を順番に食べると、どれもおいしくて手が止まりません!
枝豆を使った料理は、「枝豆つくね」「枝豆と糸瓜の春巻き」「枝豆とじゃがいものスパイス炒め」の3種類。
「枝豆と新ショウガの炊き込みごはん」でおむすびをつくりました。長岡は米どころですから、やはり、ごはんは欠かせませんね。
忘れていけないのが、長岡野菜。この日のために長岡から採れたての巾着ナスや梨ナス、かぐら南蛮やずいきも届きました。
巾着ナスは蒸かして、梨ナスは一夜漬けに。これも長岡の夏の定番です。
定番料理といって忘れていけないのが「のっぺ」。しっかりと冷やして、枝豆を添えました。
ずいきは甘酢漬けに。長岡出身の参加者からは「新潟にいたころに食べていた懐かしい味です!」と、ため息に似た声が聞こえてきました。
採れたての枝豆と長岡野菜を使った料理の数々。ついついお酒も進みます。
長岡の農家流!おいしい枝豆の茹で方実演
「長岡ナイト」のメインイベントは、長岡の農家流おいしい枝豆のゆで方の実演です。
教えてくださるのは、ナカムラ農産の中村文和さんと高綱良毅さん。中村さんは、JA越後ながおかの枝豆生産部会会長を務めるほどの専門家。長岡の枝豆農家はどのような茹で方をしているのでしょうか?
用意したのは、蓋付きの両手鍋とザル、新聞紙、うちわ、塩。そして、枝豆です。実演で使った枝豆は「晩酌枝豆」という品種のもの。それでは茹で方の実演をみてみましょう。
まず、枝豆に塩を振り、よく揉みこみます。この作業を行うこと、枝豆の表面に生えている毛が取れ、下味となる塩がよく染み込むのだそうです。目安としては、枝豆500gに対して、塩は大さじ1杯半程度。
続いて、鍋に水と塩大さじ1を入れます。枝豆500gに対して、水の量は、なんと300cc! 思ったより少なくてびっくりしました。蒸し茹でにするので、枝豆がヒタヒタに浸かるぐらいで十分なのだそうです。
枝豆を入れ、蓋をして強火で3分。グツグツと沸騰してきたら上下を入れ替えて、さらに1~2分。最小限のお湯の量で蒸し茹でにするので、枝豆にしっかりとうまみが残ります。
茹であがったらお湯を切り、すぐに新聞紙に広げて冷まします。冷ました枝豆を冷凍保存しておくと、いつでもおいしい状態でいただけるのだとか。
色鮮やかに茹であがった枝豆がおいしそうです!
「一年分の枝豆を食べた気がします!」
イベント参加者に感想を聞いてみると、
「山盛りの枝豆、一年分以上食べた気がします!」
「長岡で枝豆がたくさん作られていること、その種類の多さと旬が秋まで続くことに驚きました」
「長岡の枝豆がこんなにおいしいものだったなんて!長岡に行ってみたいと素直に思えました」
「長岡の日本酒と枝豆はやっぱりおいしいですね!」
と、枝豆の量とおいしさ、そして日本酒との組み合わせに満足された様子でした。
最後は、長岡の食に関するクイズ大会。「枝豆」「お米」「日本酒」「油揚げ」「赤飯」についての出題ですが、さすが長岡好きの参加者のみなさん、見事、全問正解でした。クイズの景品は採れたての枝豆。習ったばかりの茹で方を、さっそく自宅で試すことができますね。
受付のディスプレイにあった、枝付きの枝豆も参加者のお土産になりました。
これにてイベントは終了ですが、最後にとっておきのお知らせが! 9月28日(土)に、長岡市・ナカムラ農産で枝豆収穫体験ツアーが開催されることが発表されました。
収穫するのは「一寸法師」という品種です。長岡の在来枝豆の中から、小ぶりで食味が極めて優れているものを選び出し、種の選抜や栽培を繰り返して誕生したのが「一寸法師」。さやの大きさがちょうど一寸(3cm)というのが名前の由来です。抜群の香りと甘みを併せ持ち、9月中旬からの10日間ほどしか味わえない貴重な枝豆なのだそうです。
わたしたち、ごはん同盟もツアーに参加しますので、ぜひ長岡で採れたての枝豆を一緒にいただきましょう!
長岡の食を存分に楽しむ「長岡ナイト」。今回のテーマは「枝豆」でしたが、長岡の魅力的な食材はまだまだあります。第2弾、第3弾も企画中なので、次回開催もお楽しみに!
●Information
▼ツアー概要「長岡 枝豆ツアー」
[日時]2019年年9月28日(土)11:00~19:00
[参加費]6,000円(昼食・交流会参加費・お土産含む)
[行程]
11:00 長岡駅直結のアオーレ長岡に集合
11:30 ナカムラ農産(プロの作業を見学)
12:00 昼食(農家さん馴染みの定食屋さん)
13:00 ナカムラ農産(収穫~出荷体験~試食・2時間)
15:30 江口だんご(老舗和菓子店に寄り道)
16:30 交流会@ケータリング割烹わだの
18:50 長岡駅 解散
※雨天決行
※バスにて移動します。
※畑に入りますので、長靴や汚れてもよい靴をお持ちください。(貸出もできますので、申込後お申し付けください。)
※参加費は当日徴収します。[申込]専用申込フォームよりお申込みください。(申込〆切は、9月20日)
https://www.e-shinsei.jp/nagaoka/es/user/es_gate.cgi?ID=EV1492
[お問合せ]
長岡市政策企画課シティプロモーション担当
TEL 0258-39-2361