“発酵するまち”長岡を体験!コロナ禍の中「HAKKO trip」が示した「心地よさ」の姿
2021/1/18
歴史ある蔵元と発酵に関する研究機関が数多く立地し、 “発酵・醸造のまち”を謳う長岡市。その文化を伝えるため2019年に初開催され、大好評だったイベント「HAKKO trip」の第二回が、2020年11月21日(土)にアオーレ長岡・摂田屋の2会場で開催されました。
2019年度開催の様子はこちらをご覧ください。
食と体験で“発酵”に浸るスペシャルな一日!「HAKKO trip」開催レポート
昨年はトークイベントやアワード、マルシェなど、たくさんの人に集まってもらえる企画が盛りだくさんだった「HAKKO trip」ですが、今年は新型コロナウイルス感染防止のため、万全の対策をとった上で実施。マスク着用・検温の徹底、消毒用アルコールの設置、飲食スペースの滞在時間制限など、スタッフ・来場者ともに各々が意識して対策をとることで、感染リスクが最小限になるように努めました。
あいにくの小雨模様でしたが、会場は食や体験を楽しむ人たちで大盛況!ぶくぶく発酵する充実した一日となったイベントの様子、そして発酵愛あふれる主宰者・出店者のインタビューをご紹介します。
地元蔵元と飲食店のコラボメニューも登場!「発酵マルシェ」
アオーレ長岡のオープンスペース「ナカドマ」では、飲食や物販、ワークショップなど個性豊かな屋台が今年も勢ぞろい。地元長岡や近隣地域醸造メーカーとのコラボメニューも多数登場しました。
従来イメージの「食」だけでなく、バイオ企業の出店が多かったのも印象的。グローバルな事業展開を行う「ちとせグループ」が、栄養満点の食べる藻類「タベルモ」と甘酒を合わせたスペシャルドリンクの試飲を提供しました。
長岡のバイオ企業「プラントフォーム」は、アクアポニックス(水耕栽培の原理を応用して、魚と植物を同じ生態系の中で育てる仕組み)で栽培した有機野菜を販売。
こちらは長岡造形大学の「おみそワークショップ」。大切な人にメッセージ付きのみそをプレゼントしようという、素敵な試みです。
暮らしの中の微生物を知る「発酵サイエンス」
発酵は、食文化だけにまつわる概念ではありません。こちらの「発酵サイエンス」ブースでは、私たちの生活に役立っている発酵を学べます。例えば、生ごみを資源とした地域循環の仕組みを学ぶブースでは、長岡市が行う「生ごみバイオガス化事業」を紹介。メタンガス発酵させることで、生ごみがバイオマス燃料や電力になる工程を、ミニチュア装置でわかりやすく展示しました。その他、土を分解する微生物やミミズ、今注目のバイオプラスチックについても展示。実験やゲームを交えながら理解できるブースもあり、小さなお子さんも興味津々で目を輝かせていました。
発酵食品を仕込むワークショップ&映画上映会
事前予約制で、発酵食品をつくるワークショップも開催。醤油、ぬか漬け、みそを仕込む体験をすることで、自らの手でつくったという愛着をひしひしと感じられます。発酵食品をテーマにした映画『いただきます みそをつくるこどもたち」『はなちゃんのみそ汁GIFT』の上映会は、なんとみそ汁の試飲付き。温かいみそ汁をいただきながら、ほっこりした時間を過ごす姿があちこちに見られました。
摂田屋に美味しいモノが集結!「発酵屋台村」
HAKKO Tripのもう一つの会場が摂田屋。歴史ある建物や街並みを大切にしているエリアで、みそ・醤油・日本酒などの蔵元がひしめき合っています。
今年10月にオープンしたばかりの「摂田屋6番街 発酵ミュージアム 米蔵」がメイン会場。発酵をテーマにしたグルメや日本酒が盛りだくさんで、どれを食べようか選ぶのに迷ってしまいそうなほどでした。
歴史ある蔵元を巡る「発酵まちあるき」
発酵・醸造文化を感じられる摂田屋は、まちじゅうのあちこちから味噌やお酒を醸すいい香りが漂ってきます。積み重ねられた歴史そのものがふつふつと発酵しているような街並みを歩けば、まるでタイムスリップしたような懐かしい気分に。
そんな摂田屋のまちの魅力を存分に感じてもらいたいと企画されたのが、5つの蔵元を巡るスタンプラリー。各蔵元では日本酒やみそ汁などの発酵グルメを味わうことができ、ゴール後はハズレなしの抽選会にも参加できるお得なイベントです。あまりの人気ぶりに、お昼過ぎには早くも定員いっぱいになってしまいました。
「HAKKO trip」をきっかけに初めて摂田屋巡りをしたという方は、市内の人でも思いのほか多かったようです。蔵人と交流しながら、みそ汁や甘酒をいただいたり、日本酒を堪能したり。ただ飲食をするだけでなく、人と人とが出会い、つながっていく豊かな時間となりました。