まちを知る
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地域のみんなをプレイヤーにする。「宮内・摂田屋method」が掲げる、住民主導のまちづくりプロセス
新潟県長岡市が「発酵・醸造のまち」というテーマを掲げ始めてから、2024年で7年目を迎える。日本酒や味噌・醤油といった醸造業が集積する土地柄、食文化の面からその魅力を発信したいという意図もあるが、もうひとつ、重要な意義として「まちそのものを発酵させる」ということがある。 発酵という現象はその環境に生息する何万もの微生物によって起こる。各々が好きに活動しているうち、その総合的な作用として、味噌
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長岡を犬猫の殺処分ゼロ・災害避難のモデルに!新潟県動物愛護センターで考える、これからの共生社会
JR長岡駅から車でおよそ20分。国営越後丘陵公園の少し手前、新潟県立歴史博物館の向かいの坂を登ると、新潟県動物愛護センターに到着します。2012年4月にオープンしたこの施設では、保護されている犬や猫を引き取りたいと考えている人の見学を受け入れており、動物と触れ合いや、飼い方やしつけを学ぶイベントも開催されています。飼い主がやむを得ない事情で手放したり、人間と暮らすことに慣れてこなかった犬猫たちを、
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場をひらき、共有する。空き家リノベーションでまちの風景を変える「かきがわ不動産」
新潟県長岡市の中心市街地を縫うように流れ、信濃川に注ぐ「柿川」。江戸時代は河川水運を担う「長岡船道(ふなどう)」が貨物の積み替えを行う船継地として繁栄し、沿岸には船着場や倉庫が軒を連ねて賑わう商業活動の拠点でした。現在は、川沿いの桜並木がお花見スポットとして親しまれ、毎年8月1日には、1945年同日の長岡空襲で亡くなった方に捧げる灯籠流しが行われる川としても知られています。 長岡市民の生活と
ひとを知る
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塾? 溜まり場? 子どもたちと多様な大人をつなぐ「ひねもす大学」。その教育哲学に迫る
多様性が叫ばれ、生き方の選択肢が増えた現代。自由でありながら、そこはかとない不安も立ち込めていて、この先どう生きたらいいのか、考えあぐねている人も少なくないはず。そんな中、子どもたちに大人の一人として、親として、ポジティブな未来像をどう伝えたらいいのか。「なんのために勉強するの?」というシンプルな問いに正解はあるのでしょうか。 2023年4月に長岡市大島本町に開校し、まもなく1周年を迎える「
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生きづらさに共鳴し、不登校の悩みを分かち合う。水沢祐里さんの「つながりサロン」が結ぶもの
日常が一変したコロナ禍、終わらない戦争、政治や経済の不透明な先行き、物価高に増税など、あらゆる不安が蔓延しているこのごろ。社会に漂う不穏な空気や大人が抱えるストレスを敏感に察知してバランスを崩し、明確な原因がなくても、心身の不調や居心地の悪さから通学が困難となる子どもたちが増えています。 2021年度に学校を30日以上欠席した、いわゆる不登校の小中学生は24万4940人(出典:2022年10
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中山間地に移住して15年。震災復興に伴走したハンドメイド作家・わきたたえこさんの「地域に生きる」手仕事
新潟県長岡市の南東部に位置する川口(旧川口町)は、信濃川と魚野川が合流する河川水運の拠点として、また三国街道の宿場町として繁栄した歴史のある地域です。この地を2004年10月23日に襲った中越地震は震度7を記録し、甚大な被害をもたらしました。これをきっかけに長く住んだ土地を離れる人もおり、少子高齢化の傾向もあって地域人口は減少を続けています。 震災後、愛知県一宮市から西川口に単身で移住したわきた