秋晴れの市街地が「発酵」一色に! 「長岡の発酵」を楽しむ「HAKKO trip」、3年目の挑戦と手応え

2021.12.7

2021年10月30日(土)、年に一度の発酵のお祭り「HAKKO trip」が今年も開催されました。昨年までは長岡駅直結のアオーレ長岡と、酒蔵や味噌蔵が集中的に立地する摂田屋エリアの2会場開催でしたが、3年目を迎える今年は、会場を摂田屋・宮内に絞っての開催という初めてのチャレンジ。歩行者天国ゾーンも設置して、40ブース以上がそろう大規模なものとなりました。

昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染防止対策として、マスク着用や検温の徹底、消毒アルコールを用意するなど万全の体制。密集しすぎないよう、歩きながらの飲食を控えるように協力をお願いしたり、飲食スペースに飛沫防止パーテーションを設置したりと、参加者が安心してイベントを楽しめるような工夫をしたうえでの開催です。

当日はお天気に恵まれ、5,000人を超えるお客さんで大盛況! 発酵のコラボフードをほおばったり、発酵ワークショップを体験したり、蔵に響き渡るジャズの音色に酔いしれたり、それぞれが思い思いの時間を過ごしました。

摂田屋・宮内のまちが発酵一色となった2021年「HAKKO trip」の様子をレポートします。

第1回目・第2回目開催の記事はこちらからどうぞ。

[参考リンク]
食と体験で“発酵”に浸るスペシャルな一日!「HAKKO Trip」開催レポート

“発酵するまち”長岡を体験!コロナ禍の中「HAKKO trip」が示した「心地よさ」の姿

 

摂田屋のまちを歩きながら発酵を満喫!

今年の「HAKKO trip」の舞台は、摂田屋・宮内エリア。さまざまな発酵体験をすることができる食や雑貨のブースが立ち並びました。最寄りのJR宮内駅から会場までは徒歩約5分と近いため、自家用車ではなく電車を利用してイベントに来場する方も多かったのが印象的でした。

Hakko trip会場マップ。

歴史ある建物が多く情緒あふれる摂田屋・宮内のまちあるきも楽しんでほしいと、事務局が用意したのがこちらのマップ。会場は4つのエリア(A・B・C・D)に分かれており、まちを回遊する楽しさを味わえます。さらに、老舗醸造所や地元から愛される惣菜屋さんも、この日は特別商品やイベントを用意してお客さんを出迎えました。

まちなかの至るところに可愛い発酵キャラクターの案内看板を設置。迷うことなく目的地に到着できます。

市外はおろか、ふだん長岡に暮らしていても、摂田屋を訪れる機会のなかった参加者もたくさん。数多くの歴史的建造物があることや、ここが発酵・醸造の一大メッカであることを今まで知らなかった方もいます。「摂田屋のまちをじっくり歩いたのは初めて」「たくさん歩いていい運動になった!」という声も聞こえてきました。

家族みんなで楽しめる、発酵体験ワークショップ

Aエリア会場の長岡農業専門学校。

まず訪れたのは、長岡農業高校を会場にしたAエリア。こちらでは、味噌や醤油などの発酵調味料の魅力を感じる体験ワークショップ、発酵を学ぶクイズや実験コーナーなどを用意。小学生や中学生のお子さんを連れた家族中心ににぎわっていました。

生ごみバイオガス発電センターで作った電気で走る自動車。

会場前に駐車していたのは、充電中の電気自動車。実はここにも発酵の技術が活用されているのだとか。どういうことかと聞くと、いま充電しているのは長岡市が取り組んでいる、生ごみを発酵させて電気を作る『バイオマス発電』によって作られた電気なのだと教えてもらいました。発酵は食だけでなく、身近な生活にも役立っているんです。

[参考リンク]
生ごみから電気ができる!? 「発酵・醸造のまち」長岡が取り組むバイオエコノミーの現場を訪ねた

長岡工業高等学校専門学校による「発酵を学ぶ」コーナー。

発酵・醸造を考えるユニークなカリキュラムがある長岡農高だけに、会場内には、「楽しみながら発酵を学べる」ブースがずらり。数種類の味噌と出汁をかけ合わせてオリジナル味噌汁をつくったり、味噌品評会の審査員になりきって味わいを評価したり。アツアツの手焼きせんべい作りを楽しめる体験コーナーもありました。

[参考リンク]
発酵を「自分で考える」手がかりに。「地域とつながる」長岡農業高校の発酵・醸造実習

また、サイエンスの視点で発酵に迫るブースも。発酵条件として重要なpHを紫キャベツの搾り汁を媒体にして測定する実験、納豆やヨーグルトなどの発酵食品がどんな微生物からできているのか当てるクイズは、知らなかった世界を垣間見る機会。発酵の主役は「微生物たち」ということを改めて感じたのではないでしょうか。

ぽん酒館による「手焼きせんべい体験」。生のせんべい生地をトースターで焼き、5種類の醤油から選んで味付けをします。

 

長岡農業高校の学生たちが、「手焼きせんべい体験」のワークショップをお手伝い!

 

4種類の味噌を味比べ。実際の品評会と同じように、やわらかさ、香り、味などの項目で評価します。

 

長岡技術科学大学によるSDGsゲーム。持続可能な社会について遊びながら学べます。

キッズが喜ぶ遊びやハンドメイド雑貨も充実

続いてBエリアへ足を伸ばしてみましょう。こちらは、歩行者天国のマルシェで、小さなお子さんの遊び場やハンドメイド作品のブースが並んでいます。

HAKKO tripでハンドメイド作品を販売するブースが登場したのは今年が初めて。発酵を通じて人々が交流することをテーマにしたイベントであることから、そのコンセプトに共感した素敵なお店が集まりました。

おもちゃコンサルタント星野洸太さんによる、無料のおもちゃコーナー。カラフルな木製おもちゃがいっぱい。

 

虹色に輝くシャボン玉が空に舞う様子に、子どもたちは大はしゃぎ!

 

「多世代交流館 になニーナ」の親子で遊べるブースでは、長岡造形大学や長岡大学の学生ボランティアが活躍しました。

 

「glass unit antenna(グラスユニットアンテナ)」のガラスの器やアクセサリーは、うっとりするほど繊細。

 

長岡造形大学職員や卒業生の作家がコラボしたユニット「発酵サファリパーク」。作り手の人柄を感じる温かさがあります。

 

長岡の窯元「陶 岡﨑」の器たち。味わいのある独特の表情をもち、料理が映える器です。

 

 

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